春風亭一之輔、実は受けるか迷った「笑点」の出演オファー 沖縄出身の落語家で「推し」は誰?

日本テレビ系の演芸番組「笑点」の人気コーナー「大喜利」の新メンバーに決まった落語家の春風亭一之輔の独演会が7日、那覇文化芸術劇場なはーとであった。高座で「加賀の千代」「お見立て」「愛宕山」を披露し、観客を大いに楽しませた一之輔。公演前のインタビューでは「(笑点の新メンバー発表後から)予約がすごいと聞いた。影響は大きいですね。番組出演は普段の芸を見てもらうきっかけになる」と意欲を見せた。(学芸部・真栄里泰球)
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■21人抜きで真打に昇進
「なはーとでの落語会は初めてだそうで、大変光栄です」と語った一之輔は1978年、千葉県出身。大学卒業後の2001年、春風亭一朝に入門。04年に二ツ目に昇進し、前座名の「朝左久」から「一之輔」に改名した。12年に21人抜きで真打昇進。NHK新人演芸大賞など多くの演芸賞を獲得、ラジオパーソナリティーやエッセー執筆など活動を広げている。

人気、実力ともに注目を集めるが「子どもの頃から、日曜日の夕方になると何となく見る習慣になっていた」という「笑点」メンバーへのオファーは迷ったという。「50年以上も続き、視聴率もいい。落語が下火の時でも、落語家はちゃんと世の中にいて着物姿で芸をするというイメージがあるのは、あの番組のおかげ」と話す。一方で「落語好きからは、本来の形ではないとも言われる。だが自分の顔を日本中の人に認識してもらえるし、世界にも配信される。普段の芸を見てもらえるし、落語家を知ってもらう努力を少しでもしなければと思った」と引き受けた。
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■毎年訪れる沖縄「お客さん増えている」
今回の独演会は「らくごDE全国ツアーvol.10~春風亭一之輔のドッサりまわるぜ2022~」の千秋楽。コロナで延期された昨年7月の振り替え公演だ。「本当に申し訳なくて、今回、来られて良かった。沖縄には毎年のように来ているが、落語好きはもちろん、ラジオを聞いて来てくれる方もいて、だんだんお客さんが増えている」と喜ぶ。

沖縄で生の落語を聴く機会はあまりないと思う、とした上で「小さな会が増えてきたと聞く。立川笑二さんや、今度二ツ目になる金原亭杏寿さんなど沖縄出身の人もいる。笑二は本当に才能があり、発想が豊かで若者に受ける落語をする。杏寿さんは真面目で女性の噺(はなし)家として魅力がある」と後輩にエールを送る。
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