専業主婦でも「家事・子育ては夫婦同等にするほうがいい」が8割、現実は? – ベネッセ調査

ベネッセホールディングスは8月24日、「乳幼児の保護者のライフキャリアと子育てに関する調査」の結果を発表した。調査は3月、0歳~6歳の第1子をもつ母親2,891名(うち有識者1,317名、平均33.9歳)、同じく父親2,891名(うち共働き71%、平均37.8歳)を対象にWebで行われた。
○専業主婦世帯の人「よいと思うが難しい」が半数

はじめに、「性別による役割観」について、「妻の就業の有無にかかわらず、家事・子育ては、夫と妻が同等にするほうがよいと思いますか?」と尋ねたところ、母親・父親ともに8割前後が「よいと思う」と回答。その一方で、半数以上が「よいと思うが、そうするのは難しい」と回答した。特に、無職母親と、有職父親(母親は無職)は、全体の5割前後が「よいと思うが、そうするのは難しい」と考えているよ。
○育児・家事分担は母親に大きく偏る

また、実際の育児・家事分担比率について聞くと、職業の有無にかかわらず、母親に大きく偏っていることが明らかに。有職母親の49.1%、無職母親の70.1%が、「子育てを自分が8割~10割担っている」と回答。一方、有職父親(母親は有職)の場合50.0%、有職父親(母親は無職)の場合67.7%が「子育てを0割~3割担っている」と回答した。
○母親に多い「子どもと長く一緒にいて疲れることがある」

次に、ライフキャリアにおける4つの役割「親」「家庭人(家事の担い手、介護、配偶者との関係など)」「職業人」「個人(趣味、健康、地域など)」について、それぞれの役割意識を聞いたところ、「親としての自分」「家庭人としての自分」の役割意識は、母親は理想より現実の方が高く、特に無職母親に顕著。一方、父親は、「職業人としての自分」の役割意識が、理想より現実の方が高く、母親(妻)が無職の場合、より高い傾向に。

また、4つの役割がどれくらいの重みを持っているのか、全体の合計を10とした時のそれぞれの役割の配分を0~10の数値(整数)で答えてもらったところ、子育てやキャリアの悩みについて、「子どもと長く一緒にいることで疲れることがある」については、父親より母親の方がそう感じる頻度が高く、特に無職母親が高い傾向に。「子どもを預かってくれる人を見つけるのが難しい」については、無職母親の頻度がより高い。
○父親に多い「子どもと過ごす十分な時間がとれない」

「家庭のことと両立できる条件の仕事を見つけるのが難しい」については、無職母親の8割が「よくある+時々ある」と回答し、有職母親よりも高く、有職父親も6割がそう感じていることが明らかに。父親は、母親に比べて「子どもと過ごす十分な時間がとれない」という悩みの頻度が高くなった。
○妊娠・出産・子育て支援に期待することは?

次に、妊娠・出産・子育て支援に期待することを聞いたところ、母親は「子どもを安心して預けられる園における保育の質の確保」が1位に。一方、父親の1位は「父親が家事・子育てに参加しやすい職場の制度や環境」となった。

また、子育て観や仕事観、性別による役割観に、人物や環境がどのくらいの影響を与えているのかを調べたところ、特に大きな影響を与えているのは「配偶者/パートナー」「自分の親」「配偶者/パートナーの親」などの親族であることがわかったが、母親の約半数は「世の中の風潮や常識」と回答。

母親・父親ともに最も影響を与えているのは「配偶者/パートナー」で、次いで「自分の親」が高く、3位については、母親は「世の中の風潮や常識」、父親は「配偶者/パートナーの親」となった。