“バッキバキ”の女医が急増中!「丸いお尻に憧れて」「年間50万円以上かけてでも続けたい」筋トレと大会出場で美と健康を追求する3人の女医のこだわり

今年7月に女子カーリング日本代表の藤澤五月選手がボディメイクコンテスト「MOLA CUP」に出場し、バッキバキのボディを披露したことが大きく話題になるなど、空前の女子筋トレブーム。なぜ今、女性たちは筋肉をまとうのか? ボディメイクにハマる女性たちの熱い思いとは――。
鍛え抜かれた肉体美を競い合うのがボディメイクコンテスト。しかし、ひと口にボディコンテストといっても、いろいろなボディビル、フィットネス団体が存在し、そのコンセプトも異なる。女子カーリング日本代表の藤澤五月選手が出場した「MOLA CUP」を主催したFWJ(Fitness World Japan)や、おはぎマニアとしてメディア露出もあるビキニフィットネス界の絶対女王、安井友梨が登録するJBBFなどがその代表格だ。
7月、「MOLA CUP」のビキニフィットネスカテゴリーに出場した藤澤五月(中央)
そして、もうひとつ知名度が高い大会といえば、ベストボディ・ジャパン協会が運営する「ベストボディ・ジャパン」(通称、BBJ)。かなりゴリゴリに鍛えあげることが前提となるFWJやJBBFの大会とは違い、ベストボディ・ジャパンは健康美や身体のバランス、ルックスなども審査基準に。そのため、一般ウケがよく、出場の敷居も比較的低い。最近ではT.M.Revolution西川貴教や女芸人のキンタロー。も出場してニュースとなった。このコンテストでは、自衛隊や弁護士といったジャンル別&職業別大会も開催されている。今回はそのドクター部門に出場した女医3人に直撃。トレーニングとステージに立つことの魅力を存分に語ってもらった。ゆりやんレトリィバァなどのトレーニング監修も行ったカリスマトレーナー、岡部友の美尻メイクに憧れ、2018年からトレーニングジムに通い始めたという内科医の坂口さちよ先生(51歳)は言う。
坂口さちよ先生
「最初は岡部さんの丸いお尻に憧れてジムに通うようになりました。きれいなお尻に仕上げても、続けないと維持できないか、筋トレは一度始めたらやめられません。翌年には仕上げた体を披露したい欲が生まれて、初めてBBJに出場しました。これまたハマり、このキラキラした舞台に立ち続けたいと思いました」坂口先生いわく「医師の仕事は患者さん第一なので、トレーニングの時間こそが自分の体を大事にできる時間なんです」という。「トレ中はスマホすら見ずに正しいフォームでバーベル上げやスクワットに全集中してます。医療の現場は病気と対峙する場所ですが、大会の舞台は真逆のキラキラした世界。その両面を見ることで私自身の心身のバランスも保っているように思います」
ステージ上の坂口先生
普段、行っている糖尿病患者への食生活のアドバイスも、自身の食事制限に役立っているという。「オフ中はわりと自由に食事しますが、大会出場の減量中は、たんぱく質を十分に摂取しつつ、脂質は抑えるようにしています。常に姿勢に気をつけ、仕事中もポージングを意識するようにしています」
形成外科医としてクリニックで婦人科形成をしつつ、企業の産業医としても働く豊島愛子先生(45歳)は「40歳になる前に理想の体型になりたい」と思い“結果にコミットする”ジムに通い始めたという。
豊島愛子先生
「最初に糖質制限で痩せたものの、これじゃただの細い体でヘルシーでもセクシーでもないなと思って、今度は糖質も摂りつつ、しっかりトレーニングして、筋肉のある健康的なボディを目指しました」ふたりの小学生を育てながら、3つのクリニックの勤務医をし、さらに会社の産業医としても働く豊島先生は毎日大忙しの日々を送る。一体どこでトレーニングの時間をとっているのか?
ステージ上の豊島先生
「朝7時にジムで1時間から1時間半のトレーニングを週2回やってます。これはもうルーティーン化してるから、全然辛くないです。むしろ行かないほうが気持ち悪い。コンテスト出場は普段のトレーニングの成果の発表の場であり、発散の場です」これまで10回以上も参戦しているというコンテストは、医師として働きを認められることとは違う、もうひとつの願望も叶えてくれるという。「幼い頃から宝塚に憧れてたんですよ。でもその夢は叶えられなかったので、ボディコンテストの中でもミスコン要素の強いBBJに出ることが私のステージ願望を満たしています。何回出ても飽きないし、この8月にもあともう一回、BBJの大会に出ます」メタボだという旦那さんも「ポテチ食べながらすごいねーって応援してくれてますよ」と豊島先生。コンテストに出続けることは生涯の目標だという。
最後は、Pillクリニック院長の宮本亜希子先生(40歳)。BBJの大会に去年だけで3回も出場した。
宮本亜希子先生
「参加費は、1回1万6500円(各地区予選大会上位3名が出場する日本大会は3万3000円)。それ以外にも大会出場時のメイクで2万円、50分2万2000円のウォーキングやポージングのレッスンに2~3回出て、パーソナルトレーナーには年間40万円ほどはらっているから、コストは年間50万円は軽くかかります。それでもみんなやりがい感じてると思います」そのやりがいとは……?「年齢的にも、何もしないとただ衰えていくだけだし、いつまでも元気に健康で“女子”を楽しめるのは最大のメリットです!それに、舞台に立って“見られる”ことは最高の自分磨きだと思います」実は当初はコンテスト出場を目指してトレーニングを始めたわけではなかったという宮本先生。「30代の妊娠時に20キロも増量してしまったから、その体型を戻すというより、産前以上の体になりたくて始めました。結果、いい感じの体になったのでジムの方にコンテスト出場を打診されました。じつはそのタイミングで大腸がんが発覚したのですが、手術の翌年に初コンテスト。ドクター部門に出場すれば、いろんな女医の友達も増えるし、いい刺激になります」
ステージ上の宮本先生
空前のフィットネスブーム、コンテストブームにベストボディ・ジャパン協会の木村昌嗣理事は言う。「ベストボディ・ジャパンは今年で11年目。出場者の年齢層は20代から70代までと幅広く、多種多様な職業の方が参加しています。還暦で筋トレを始めて『今が一番若い!』とおっしゃる方もいるほど。特に40代以上の参加者が年々増えていますね」人生100年時代、女性の健康寿命は筋トレと大会出場が鍵を握ってるかも? ヤー!取材・文/河合桃子集英社オンライン編集部ニュース班