あなたも「予備自衛官」として活躍できる? 一般市民からもなれる予備自衛官制度とは

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日本の平和と安全を守る自衛隊には、同じく国民を守る役目を持つ「予備自衛官」という制度が存在する。この予備自衛官は一般市民も参加可能で、自衛隊と並んで非常時の対応を担う重要な役割を持っている。
「災害時などに人を助けたい」「自衛隊の訓練を受けていざというときに活かしたい」と考えている人に向いているこの制度について、元自衛官の筆者が解説する。
予備自衛官制度とは、毎年決められた日数の訓練を受けて、いざ戦争や災害派遣になった場合に自衛官として活動を行うもの。非常勤の自衛官と考えればわかりやすいだろう。招集訓練と呼ばれる規定日数の訓練では、実弾射撃や格闘といった内容が実施されている。
防衛予算は潤沢にあるわけではないので、予備自衛官の協力を得ることが出来れば、防衛力を充実させることが出来る。東日本大震災では、予備自衛官等制度発足以来初の災害招集等が実施されたことも記憶に新しく、以降は各種災害において予備自衛官が招集され、駐屯地警備などの業務に従事している。
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前述の予備自衛官は、一般的には退職した自衛官しかなれないと思われているが、「予備自衛官補」という制度を利用すれば自衛隊で勤務したことがない普通のサラリーマンや主婦でもなれる。
予備自衛官補は規定の日数の訓練を受けたあと階級を付与され、その後は予備自衛官として毎年の招集訓練や災害派遣等に参加する。
予備自衛官補には「一般公募」と「技能公募」の二通りのなり方がある。一般公募では、資格等を特に活用することなく、3年以内に合計50日の訓練を受けて予備自衛官に任命される。50日といっても、5日間の訓練を10回なので連続して受ける訳ではない。それでも日数の関係から一般的なサラリーマンでは難しいかもしれないが、訓練自体は運動経験の無い参加者もいるため体力に自信がない人も参加しやすい。
一方で技能公募では、看護師や外国語熟練者などが2年以内に合計10日の訓練を受けて予備自衛官となる。こちらは5日間を2回だ。予備自衛官任命後は、有事の際などにに資格や本職を活用して自衛隊の活動に従事する。
自衛隊には、歩兵部隊である普通科連隊等に所属し、演習等年間で最大30日の訓練を受ける「即応予備自衛官」という制度がある。
25日放送の『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)では、お笑い芸人のやす子が今年の3月まで即応予備自衛官を務めていたことや、来年の4月から復帰することを明かしたことから話題を呼んだ。予備自衛官は年に最大で計5日間の訓練であるが、こちらは日数が多い。
さらに、通常の予備自衛官は駐屯地警備などが多いが、こちらは普通科隊員として第一線に出ることもある。以前は自衛隊経験者限定であったが、現在は自衛隊未経験者の、一般公募予備自衛官補出身からでも普通科連隊に所属できるようになっている。このように、自衛隊には様々な予備自衛官制度がある。現職自衛官でなくても、有事には何か活躍したいと思っていた方は、お気軽に自衛隊に資料請求等していただきたい。
安丸仁史(やすまるひとし):1994年福岡生まれ、福岡育ち。防衛大学校(人文・社会科学専攻)中退後、西南学院大学文学部外国語学科卒業。 2017年陸上自衛隊に幹部候補生として入隊。
職種は普通科で、小銃小隊長や迫撃砲小隊長、通訳などを務める。元レンジャー教官。 現在は複数事業を経営。