「大丈夫だから」窓越しに声をかけ検体採取 日曜夜に児童ら診断 医療逼迫を防ぐ

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行を受け、沖縄県医師会などが年明けに南風原町内に設置した「小児等発熱軽症者抗原検査センター」。事前予約制のドライブスルー形式で、コロナとインフルエンザを同時に検査することができる。多くの医療機関が休診する日曜日に主に開かれ、医療逼迫(ひっぱく)の抑制に貢献している。(社会部・平良孝陽)
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「大丈夫だから、頑張ってねー」。1月末に検査センターを訪れると、感染防護服を着た小児科医が順番待ちしている車両の窓越しに声をかけ、子どもたちの検体を慣れた手つきで採取していた。
臨床検査技師が検体を受け取り、その結果を医師らが車内待機中の患者に電話診断する。必要に応じて薬も処方してもらえる。
近くにある県立南部医療センター・こども医療センターは、日曜に患者が集中し、待ち時間が長くなることが課題だった。救急外来の多くは発熱患者といい、和氣亨院長は「比較的症状が重い患者は当病院で、軽症者は検査センターでと、すみ分けができた」と評価する。

検査センターが開設されるのは、主に毎週日曜の夕方から夜の約3時間。年明けから2月5日までに検査を受けた計734人のうち、コロナは38人、インフルエンザは496人、同時感染は1人だった。
県医師会の田名毅副会長は「休みを惜しんで小児科医や臨床検査技師が奮闘し、1日当たり100人の患者を診てきた。全国でも珍しい取り組み」と話す。
検査センターは12日にいったん役目を終えるが、感染状況に応じて再開する予定。同日は午後5時から8時まで、予約は電話070(3801)0529、070(3801)0541、080(2791)9652。