電話de詐欺の認知件数、過去10年で最多 「オレオレ」6割増 千葉県警上期まとめ

今年上半期(1~6月)の千葉県内の電話de詐欺認知件数は前年同期比148件増の760件で、過去10年で最多だったことが県警のまとめで分かった。被害総額は約4億2500万円増の16億3600万円。県内では依然として息子や親族などをかたって現金をだまし取る「オレオレ詐欺」の被害が多く、約6割増加した。
県警捜査4課によると、手口別では「オレオレ詐欺」が315件(前年同期比114件増)で最多。昨年と比べて被害者から直接現金を受け取る「手交型」が目立った。新型コロナウイルスの規制が緩和されて人の動きが活発になった他、金融機関が詐欺対策で高齢者の高額送金などを制限しており、自宅に保管してある現金が狙われることが要因の一つとされる。
次いで警察官や市職員らをかたってキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗」が236件(同26件減)、ATMに誘導して送金させる「還付金詐欺」が159件(同27件増)だった。
「架空料金請求詐欺」は46件(同31件増)で、前年から約3倍増となった。上半期の最高被害額は5775万円で、被害に遭った高齢者は「老人ホームの入居券が当たった。他の人に入居してもらうから名義を貸してほしい」という趣旨の電話を了承した後、違法だと架空の弁済費用を要求され、現金を振り込んだという。
予兆電話(アポ電)の認知件数も6271件(同1329件増)で、約3割増加した。同課の担当者は「主犯格の特定に向け、摘発を強化して突き上げ捜査を進めていく」としている。