ダブル台風から再びトリプル台風へ 北陸はフェーンで猛暑と渇水が一層強まる

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台風9号がバシー海峡付近を、11号が沖ノ鳥島近海を進んでいます。台風11号は、来月4日にかけて、南西諸島から東シナ海方面へ進む可能性が高くなっています。台風9号は直接の影響はありませんが、台風11号や、将来の台風12号とともに日本付近の太平洋高気圧の勢力を強める方向に作用し、北陸地方では猛暑と渇水が続くどころか、さらに深刻化するおそれがあり、警戒が必要です。
ダブル台風から再びトリプル台風へ 台風11号は日本の西側を通る可能性高い 台風9号・将来の12号とともに太平洋高気圧の勢力を強める方向へ

台風9号はバシー海峡(台湾とフィリピンの間)を西寄りに進んでいます。この台風は、次第に南シナ海へ進み、日本付近への直接的な影響はなさそうです。一方、台風11号は日本の南の海上を北西へ進み、9月1日(金)~2日(土)頃に南西諸島を通過後、東シナ海を北上するでしょう。さらに、日本のはるか南東の海上に、熱帯低気圧があり、今後24時間以内に台風12号となって北西へ進み、9月4日(月)頃には西日本の南へ進むでしょう。これらの3つの台風は、予報円の中を台風が通ると仮定した場合、少なくとも9月4日頃までは、日本付近で太平洋高気圧の勢力を強める働きをし、北陸地方の猛暑がさらに強まり、長期化するおそれがあります。さらに、日本海には秋雨前線が停滞しています。この前線に向かって南寄りの風が吹きやすくなるため、北陸地方は「フェーン現象」の効果が加わり、危険な暑さとなるおそれがあります。山越えの風となるため、雨の恵みは期待できず、渇水が一層進むおそれがあります。
北陸週間 太平洋高気圧が強く、晴天持続 体温超えの危険な暑さも

台風11号や将来の台風12号が、太平洋高気圧の勢力を強めるため、向こう一週間は、少なくとも9月4日(月)までは晴天が持続するでしょう。先日、新潟ではおよそ40日ぶりの降雨(2ミリ)を観測しましたが、これは局地的なゲリラ雷雨で、新津では依然梅雨明け後の降水量は0ミリが継続、津川でも前30日間雨量が平年の0パーセントとなるなど、依然として渇水が続いています。トリプル台風は北陸には恵みの雨をもたらすことはほとんど期待できそうになく、渇水がさらに深刻化するおそれがあります。さらに猛暑も危険な状態となります。台風11号などが太平洋高気圧の勢力を強めるだけでなく、フェーン現象の効果もあって、向こう一週間は、猛暑日となる日が多くなるでしょう。31日(木)は、長岡や富山で38度、新潟で37度など、体温超えの危険な暑さとなる所もあるでしょう。また、フェーン現象が「持続」するため、長岡・富山・福井では9月6日(水)にかけて全ての日で最高気温が35度以上の猛暑日が続く見込みです。また、最低気温も高く、新潟や金沢など、熱帯夜が向こう一週間続く予想となっています。熱中症や農作物の管理・家畜の管理に十分に注意してください。特にこれまでの暑さに加えての暑さとなりますので、体力が消耗しやすくなっています。こまめな水分補給や適切な冷房の使用に加え、十分な睡眠とバランスの取れた食生活を心がけましょう。
週間天気図 暑さの出口見えず 将来の台風12号の予測は不確実性が大きいが、北陸目線では6日まで暑さが続く方向に作用か

週間天気図を見ても、この先北陸地方に特段の降水や気温の低下をもたらしそうな要素が見当たりません。1日(金)の前線の影響は北日本が中心で、北陸は前線の南側で南寄りの風となり、フェーン現象となるでしょう。さらに、2日(土)頃から日本の南海上が低圧部となり、4日(月)には新たな熱帯擾乱の発生(将来の台風12号とは別物)を示唆しています。将来の台風12号は、この熱帯擾乱と干渉して複雑な動きをする可能性もあり、予測には不確実性がありますが、6日(水)頃までは太平洋高気圧の勢力が強く、これらの熱帯擾乱は、北陸地方にとっては厳しい暑さが続く方向に作用するおそれがあります。また、等圧線が北西ー南東に走っているため、南~南東の風となりやすく、北陸はフェーン現象が持続するおそれがあります。少なくとも9月上旬までは厳しすぎる残暑と少雨傾向が続くおそれがありますので、熱中症や農作物・家畜などの管理には十分な注意が必要です。