千葉県内バレンタイン商戦 物価高、義理チョコにも影響 イオン特設で売り上げ増

千葉県内の量販店や百貨店で、14日のバレンタインデーに向けた商戦がピークを迎えている。キャリア・就職支援会社「job総研」が実施したアンケート調査では、8割が物価高により「チョコレートを渡す意欲が低下した」と回答。義理チョコ文化が薄れる一方、百貨店はご褒美としての自分用需要に対応している。幅広い価格帯をそろえるイオンリテール(千葉市美浜区)でも、売り上げが前年比1割増と好調だ。
アンケート調査は1月20~24日にインターネット上で実施し、20代~50代の社会人男女計448人から回答を得た。今年のバレンタインについての意識を尋ねたところ、職場の人へ「渡さない」とした割合は81・3%。物価高騰による意識低下も79・0%が回答し、「義理で渡す余裕がない」「コロナ禍で必要性が薄れ、負担が大きい」といった声も聞かれた。
イオンリテールでは1月6日から、バレンタインの特設売り場を設置。約千品目を取り扱っている。担当者は「直前の11~13日が販売のピーク。職場などで配る文化は薄れてきているが、『お世話になった人に感謝の気持ちを示したい』といったお客さんは多い」と説明した。
イオンスタイル新浦安(浦安市)の売れ筋は、洋菓子メーカー「モロゾフ」のイオン限定商品。チョコ5個入りのカラフルなミニボックス(税込み324円)は物価高でも手に取りやすい価格設定で、多くの人が足を止めていた。若い世代を中心にサステナブルな商品選びが主流となっており、カカオ生産者の労働環境に配慮したチョコも好評だ。
東武百貨店船橋店(船橋市)では初の試みとして、バレンタインデーに合わせた北海道物産展を14日まで開催している。担当者は「ご褒美として自分用の需要が高まる中、チョコに限らず、北海道のケーキや幅広い食を楽しんでもらいたい」と期待。会場では、複数ブランドの商品を一カ所で会計できるようにした。
札幌市のチョコブランド「ロイズ」といった定番商品をそろえるほか、函館市の洋菓子店「プティ・メルヴィーユ」が東武限定で販売する「チョコがけメルチーズケーキ」(同2500円)も連日完売するほどの人気という。