「A型はまじめ」「O型はおおらか」は本当か? 血液型別の性格…の画像はこちら >>
さて、今回も衝撃的なレポートを世に問いたいと思います。血液型による性格イメージの話です。
一般に「A型はまじめ」「O型はおおらか」などと言われます。科学的根拠はないと言われますが、それでも何となく気にしてしまうものです。若い人なら合コン(今でも開催されているのか?)で、思わず血液型を聞いてしまう、もしくは聞かれた経験のある方も多いかもしれません。
市場調査によって証明すればいいじゃないかと思ったのです。方法論としては、例えばA型について、(1)A型の性格イメージを聞き、加えて(2)A型の人に自分の性格イメージを聞く。そして(1)と(2)の乖離を数量的に測定すれば、(大げさに言えば)科学的根拠のある、21世紀型の、シン・血液型性格イメージが明らかになるのでは?
やってみました。
性格イメージ項目は「まじめ」「頼りになる」「親切」「おおらか」「お喋り好き」「ユーモアのある」「お人好し」「素直」「自由」「知的」「気が強い」「おしゃれ」「元気」「感受性が強い」――の14項目。
上記(1)と(2)について「いくつでもお選びください」という、いわゆるMA(マルチアンサー)形式で聴取。
そして、乖離の実体が分かりやすくするために、下記のマップ(散布図)で分析しました。
右に行けば行くほど、その血液型の「性格イメージ」として高い項目。上に行けば行くほど、その血液型の人が自分の性格を評価したときに高い項目(「性格自認識」)。
となると右上の(1)ゾーンは、その血液型の性格イメージも性格自認識も高い、名実ともにその血液型の性格、「コアイメージ」と言えます。
次に(2)ゾーンは、一般的に、その血液型の性格と言われているものの、実際はそうでもない、つまり「実は私、そんな性格じゃないのに……」項目。
最後に(3)ゾーン。ここは逆に、その血液型の性格と言われていないのに、実際には、その血液型の人に備わっている性格、つまり「実は私、こんな性格なのに!」項目。
ということは、ここでいう(2)ゾーンと(3)ゾーンをしっかりと認識すれば、「シン・血液型性格イメージ」が明らかになるのです。うむ、我ながら冴えた調査企画だ!
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では、見ていきます。まずはA型(なおマップ内、十字の縦軸・横軸は、付置した全項目の平均値に引いています)。
先にお伝えしなければならないのは、マップから「まじめ」を抜いていること。というのは、横軸にも縦軸にも高すぎて(76.9%、65.6%)、マップの右上方向に飛び出てしまったのです。
というわけで「A型=まじめ」は正しそうです(ただし「A型=まじめ」と日本で長く言われ続けてきたので、知らず知らずのうちに自分もそうだと思い込んでしまったフシもあり)。
マップをご覧ください。(1)ゾーンは「感受性」「素直」「親切」「お人好し」。「まじめ」も含めると、全体的に優しい性格の感じがしますね。これ、名実ともにA型のコアイメージ。
(2)ゾーンを見ると「気が強い」「頼りになる」が気になります。優しさの反動で「見かけより強くないんだよ……」という心の声が聞こえます。逆に(3)ゾーンでは「優しいけど、自由人なんだ。堅物と思うなよ!」という心の叫びが響きわたります。
次にB型。
まず(1)ゾーンは「自由」「気が強い」「ユーモア」。一般に言われるような、この個性的な感じがB型のコアイメージなのですね。
(2)ゾーンが面白い。「おおらか」「お喋り好き」だと思うなよ、ということでしょう。「B型だからといって、例えば宴会で面白い話ばかり要求するなよ」という心の声かな(多少、意訳しましたが)。
逆に(3)ゾーンは、「知的」と「感受性」、「面白さじゃなく、頭良さげな奇才と思ってよ、坂本龍一みたいな」っていう感じかしら(こちらも意訳)。
O型も、ある意味でB型と似たマップになりました。
まず「おおらか」という項目の横軸が異常な高水準で(64.4%。縦軸も36.9%で割と高い)、A型の「まじめ」同様、マップから外します。というわけで「O型=おおらか」も正しそうです(先に書いたA型の「まじめ」同様の懸念もありますが)。
そして(1)ゾーンを見れば、「素直」「自由」「お人好し」「親切」と、一言で言えば、これ「おおらか」ということでしょう。O型=「Oらか」ということだ(言うたった)。
で、(2)ゾーンなのですが、こちらもB型同様「宴会で面白い話ことばかり要求するなよ」的な……。B型とO型に対する「お前、なんかオモロイこと言え」的な圧は強いそうです。
そして(3)ゾーンで高みに立つのは「まじめ」。つまり「O型=おおらか過ぎて、適当」と思われ過ぎていることへの反動が見て取れます。分かる感じがします。
最後にAB型。
まず(1)ゾーンのコアイメージは「感受性」「自由」「気が強い」。これは世間で言われている通りかもです。B型の(1)ゾーンに似ていますが、ここでは「ユーモア」がないのが大きな違い。太陽に透かしてみると「面倒くさい」という文字が見えるかも(失礼)。
(2)ゾーンは「ユーモア」と「知的」。「正直、面倒くさいけど、面白さと頭の良さについて、そんなにキレッキレじゃないのよ」という感じか。
そして(3)ゾーンは、出た、「まじめ」「お人好し」「素直」……これは分かりやすい。「私、そんなに面倒くさくありません!」という心の叫びだ。
以上です。印象的な心の声をまとめてみると、A型「堅物と思うなよ!」、B型とO型「宴会で面白い話ことばかり要求するなよ!」、AB型「私、そんなに面倒くさくありません!」――あれ? これって、それぞれのコアイメージを否定しにかかっているということでは? ということはやっぱり、血液型別の性格の差異なんて、科学的にはないということかしら?
なんて、それこそ面倒くさくて本質的なことを問いただす前に、ますは自分の血液型と照らし合わせて、この結果を気軽に楽しんでみてください。次回はこれ、星座でやってみましょう。
Sirabeeでは、音楽評論家、ラジオDJのスージー鈴木(すーじーすずき)さんの連載コラム【スージー鈴木のニッポンの民意】を公開しています。
毎回マーケットリサーチを実施し、そこから浮き彫りになる「ニッポンの民意」を世に問いていく連載です。今回は「統計的、科学的に検証 MA形式で紐解くシン・血液型性格イメージ」に関する調査を掲載しました。