中国への締め付けを強化する米国 その背景にあるものとは

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バイデン大統領は8月9日、中国軍のハイテク化を防止するため、人工知能やスーパーコンピューター、半導体など3分野について中国向け投資を禁止する大統領令に署名した。
これは中国につぎ込んだカネがそのまま軍事力の増強に繋がることを防ぐためだが、これに違反した投資家や企業は罰せられるという。
また、バイデン政権は昨年秋に半導体が軍事転用されるリスクを回避するため、先端半導体の関連品目の中国向け輸出を禁止したが、米国による対中規制に歯止めが掛からない状況だ。
しかし、これは中国軍の近代化を抑えるためにどうしても必要な措置であり、極めて妥当な政策だ。米国や日本の先端技術が中国に輸出され、それによって中国が軍を強化するなど、自らの首を自分で絞めるようなものだ。
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当然、米国が中国へ輸出規制を強化するのは安全保障上の理由だが、どうも理由はそれだけではない。米国は世界一の地位を奪われることへの警戒感を強めている。
戦後、米国はソ連との間で大国間競争を繰り広げ、冷戦に勝利し、その後は米国主導の世界秩序が地球全体を覆うようになった。それによって、マクドナルドやスターバックス、アップルやハリウッドなど、米国の経済や文化が世界各国に拡大した。今日の世界秩序はいわば米国中心の世界なのだ。
米国はそれが衰退することへの焦りを現実問題として感じ始めている。中国は米国にとって現状変更勢力であり、米国は何としてもそれを抑えようと必死になっている。その1つが半導体分野での規制強化であり、今後他の分野でも規制が強化されるであろう。