「自衛隊海上輸送群」は各自衛隊の垣根を取り払った共同部隊に。
防衛省は、2023年8月31日に公表した2024年度予算の概算要求で、「機動展開能力・国民保護」に約5951億円を計上。主に、南西諸島方面などに部隊を迅速に展開させるための輸送力強化を推進する方針です。
南西諸島を守れ!自衛隊の「輸送能力」大幅向上へ “共同部隊”…の画像はこちら >>陸上自衛隊のCH-47JA輸送ヘリコプター(乗りものニュース編集部撮影)。
現在、自衛隊が保有する大型輸送艦は「おおすみ」型の3隻のみとなっており、本土から離れた南西諸島方面へ地上部隊を展開させる場合は数が不足します。 輸送体制の強化に向け、組織面では「自衛隊海上輸送群(仮称)」が新設される予定。この部隊は、海上自衛隊や陸上自衛隊といった各自衛隊の垣根を取り払った共同部隊となる見通しです。 この「自衛隊海上輸送群」には、南西諸島方面に部隊・物資を迅速に輸送可能な「機動舟艇」が配備される予定。概算要求には3隻の取得費用が計上されました。 さらに、輸送ヘリコプター「CH-47JA」12機、「CH-47J」5機、多用途ヘリコプター「UH-2」16機の取得費用も盛り込まれています。これにより、平時から有事までのあらゆる場面で輸送力が強化されるとしています。 このほか、民間海上輸送力の活用も拡大する見込みです。現在防衛省はPFI契約に基づき、フェリー「はくおう」と「ナッチャンWorld」の2隻をチャーターしています。 2025年12月に現在のPFI船舶の契約が終了するため、新たに2隻を確保するとしています。また、PFI船舶を使用して部隊の輸送訓練や港湾への入港検証も実施される予定です。