「絶対に食べないで」 ブドウのような植物の正体にゾッとする

美しい花を咲かせて見る者の心に癒しを与えてくれたり、調理の際に食材として活躍したりと、植物は私たち人間の生活に深くかかわっています。
また、古来から薬の材料として扱われている植物も。しかし、身近な存在であるからこそ、人間にとって害となる成分を持つ植物の存在も知っておかなければなりません。
幼い子供は、かわいらしかったり、おいしそうだったりする植物があると、自然と手を伸ばしてしまうもの。中には、興味から口にしてしまう子も多いでしょう。
秋になったら注意してほしいのは、日本国内で広く分布しているヨウシュヤマゴボウ(別名:アメリカヤマゴボウ)。
一見ブドウのような見た目をしていますが、全体に有毒成分を持つ植物であり、厚生労働省や各自治体はウェブサイトなどで「絶対に食べないで!」と注意喚起を行っています。
※写真はイメージ
ヨウシュヤマゴボウは、北アメリカが原産の帰化植物。日本でも市街地の道端や空き地などで目にする機会が多く、身近な植物の1つとして知られています。
夏に開花し、9~10月頃になると黒く熟した実がなりますが、全体に強い毒を持っているのです。
触れると刺激を感じるほか、口にすると1~2時間後に腹痛や嘔吐、下痢といった食中毒の症状を起こします。また、最悪の場合はけいれんを起こして命を落とす可能性もあるのだとか。
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全体に毒を持っていますが、主に実や根の部分には、フィトラッカトキシンなどの強い毒が。
実の部分はブドウやブルーベリーに似ており、おいしそうな見た目をしています。公園や通学路に生えていることもあるため、子供が口にしてしまうケースが頻繁に報告されているのだとか。
また、有毒の根の部分を山菜の『山ごぼう』と勘違いして食べてしまい、食中毒に見舞われる事例もあるとのことです。
春と秋は、有毒植物の誤食による食中毒が多く報告される時期。もし誤って口にしてしまったら、速やかに医療機関を受診してください。
[文・構成/grape編集部]