タンカーの重油を積み替えて不正に販売した罪 元船長ら起訴

海上の船舶に給油するためにタンカーに積まれていた重油をトラックに積み替えて不正に販売したなどとして逮捕された5人について、大分地方検察庁はタンカーの元船長ら3人を業務上横領の罪で起訴しました。 トラックなどを運転していた2人については、不起訴にしました。 起訴されたのは、大分港を拠点に運航するタンカー「第一関門丸」の元船長、藤沢和則被告(49)ら3人です。 起訴状などによりますと、3人はことし1月から4月にかけて、大分港の岸壁で海上で船舶に給油するためにタンカーに積んでいた重油をトラックに積み替えて不正に販売したなどとして、業務上横領の罪に問われています。 これまでの大分海上保安部の調べによりますと、元船長は海上で船舶に給油したあと、タンクに残った重油の量を実際よりも少なく会社に報告していたということです。 燃料油が高騰し、運送業界などが影響を受ける中、タンカーの重油の残量の過少報告を繰り返し、不正な販売を続けていたとみられています。 一方、大分地方検察庁はトラックなどを運転していた2人については不起訴としました。 不起訴とした理由については、「業務上横領のほう助にあたる事実は認められるものの、諸般の事情を考慮した」としています。