【賃貸編】首都圏で今一番人気の街はどこだ- 問合せ数から算出した“ガチ”の「住みたい街ランキング」

不動産・住宅情報サービスのLIFULL HOME’Sが2月10日、「2023年 LIFULL HOME’S みんなが探した! 住みたい街ランキング(首都圏版)」を発表した。昨年の実際の問合せ数から、ユーザーの“本気”で住みたい街を駅別で集計し、「買って住みたい街」と「借りて住みたい街」をランキング。メディア向けの発表会では、その結果とともに、最新の住まい探しの傾向と潮流が紹介された。

このランキングのポイントは、「掲載物件を検索したユーザーの“実際の問合せ数”を基に算出し、本当に住むことを前提に探されている街がどこかを積み上げ」ているところにある、とLIFULL HOME’S総研の中山登志朗さん。つまり、本気で物件を探している人が実際に検索・問い合わせをした、“ガチ”の住みたい街ランキングといえる。それでは中山さんの分析とともに、「借りて住みたい街」のランキングをみていこう。
○借りて住みたい街は、「本厚木」VS「大宮」の一騎打ちに

コロナ禍の影響は薄れつつあるものの、テレワークの定着によって「都心から郊外へ」の動きはますます加速。コロナ前に人気のあった「池袋」など都心エリアの街はまだランキング上位に回復してはいないものの、都心の中で相対的に賃料の安価なエリアに注目が集まっており、「郊外と都心の二極化」が続いているという。

「コロナ禍で順位を伸ばした神奈川県の『本厚木』が今回も1位を維持し、3年連続でトップに輝きました。利便性やコストのバランスがとれた郊外エリアの人気は確立し、『本厚木』の人気は本物といえます。また、本厚木と僅差で2位の『大宮』や、『八王子』『柏』『三鷹』など、TOP10の多くは準近郊・郊外の駅が占めており、昨年よりもさらに賃貸ニーズが郊外化しています。

都心周辺では『葛西』『池袋』『荻窪』『三軒茶屋』が30位以内に留まり、“Withコロナ”に慣れた今、都心部の人気は徐々に回復傾向にあるといえます。また『北千住』『高円寺』『新小岩』や、1月に発表した“住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023(一人暮らし×都心通勤・通学編)”で1位を獲得した『亀有』も30位以内に入るなど、都心部では相対的に賃料が安価なエリアが注目されています」(中山さん)。

○次に来る街はどこ? 急上昇ランキング1位は「笹塚」

続いて、昨年から大きく順位を上げて人気が“急上昇”した街のランキングも紹介された。交通の利便性とのバランスに加え、消費者物価が高騰している影響から、利便性の割に賃料相場が比較的安価なエリアが、急激に順位を上げるという結果になった。

1位の「笹塚」は、京王線・京王新線が乗り入れ、約5分で新宿まで行ける交通利便性の高さから、都心方面に徐々に戻り始めた賃貸ニーズの受け皿となっていると考えられる。また2位の「所沢」は、ワンルームマンションだけでなく一戸建て賃貸も充実しており、かつ乗り換えなしで新宿や池袋へアクセスできる点で、今後も順位を上げてくることが予想される。3位の「町屋」には賃貸物件が多く、家賃相場も都内では安価なエリアだという。

この結果に、「マスメディアで言われる人気の街ランキングとは、かなり違っていましたね。物件ベースなのでリアリティがあると感じました」とゲストの山田五郎さん。

「『本厚木』『大宮』『柏』『三鷹』『葛西』……堅実ですよね。青山とか代官山とか二子玉川みたいな街が、100位以内に入っていない。1位の『本厚木』は、物件の数も多いし小田急のロマンスカーや急行も停まるし、駅前もショッピングエリアが栄えているので、納得です。2位の『大宮』はちょっと意外で、『浦和』じゃないんですね?」と、さいたま市の中での“永遠のライバル”を引き合いに出して会場を沸かせた。

「この堅実さを見ると、今後は北区や板橋区など、コスパが良い“穴場の街”が上がってくるのではないか」と予想する山田さんに、中山さんも、「都心部では商店街のある街が、若い人たちに見直されて上位に入ってきています」と応え、昨今の住まい探しの傾向に、“コスパ意識の高さ”が見られることを強調した。

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■調査概要
期間:2022年1月1日~2022年12月31日
対象:LIFULL HOME’Sユーザー/首都圏版(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)
集計:LIFULL HOME’Sに掲載された 賃貸物件のうち、実際の問合せ数を駅別に集計