9月24日「新そば祭り」 “4たてそば”をご賞味あれ…新得町・あの街行く北海道

実りの秋を象徴する「しんとく新そば祭り」が24日、新得町の保健福祉センター前駐車場で行われる。
町に点在する白い花を咲かすそば畑。道内屈指のそばの産地で、その歴史は古く、1899年の開拓からまもなくして栽培が始まった。9~10月は収穫の最盛期。取れたての新そばが食べられる祭りとあって、例年は町内外から2万人超のそばファンが集まった。
2002年に始まった祭りは、今回で20回目。コロナ禍を経て、昨年は2000人の入場制限を設け、3年ぶりに開催した。6店舗が並ぶ今年は、7000食限定。職人の高齢化も進んでいることから負担を考慮し、数は抑えめとなった。
今年は猛暑が続いたものの、「育成は順調で、質も良好。味や香り、風味が豊かな新そばを楽しめます」(町観光振興課)と太鼓判。「レラノカオリ」という品種を主に用い、早摘みのそばの実を職人たちが祭り前日から丁寧に手打ちする。350~600円の価格で提供され、「とれたて」「ひきたて」「打ちたて」「ゆでたて」の“4たてそば”を味わえる。
各店はこだわりのつゆも用意。祭りの初回から出店する「新得手打ちそば愛好会」の鶏肉と長ネギが乗っかった、かしわそばや、創業100年を超える老舗「そば処みなとや」の大えび天そばが人気だ。
手打ちそば以外にも地鶏や鹿肉を用いた焼き物、そばクレープなどの出店も。数が絞られ、例年よりもプレミア感が増した“シン・そば祭り”をご賞味あれ。
〇…新そば祭りの翌週の10月1日には「うまいっしょ『しんとく』大雪まつり」が屈足公園で行われる。町で育った農産物や姉妹都市の山形県東根市の果物などのほか、生肉の購入者には七輪を無料で貸し出すなど、大空の下、味覚を堪能できる。収穫されたばかりのニンジンやジャガイモの詰め放題は毎年恒例。祭りのにぎわいが過ぎた後、冬支度の時期に入る。
◇新得町 十勝管内の北西部にあり、北海道のほぼ真ん中に位置する。人口は5437人(8月末時点)。1899年に現在の山形県東根市からの移民が入植し、十勝エリアの“玄関口”として発展。総面積は約1063平方キロメートルで、東京都の約半分に匹敵する。町の約9割が森林地帯。19年に女優・広瀬すずが主演したNHKの朝の連続ドラマ「なつぞら」の主要ロケ地にもなった。