「パセリ葉先枯病」国内初特定 千葉県「これからの時期は発生しやすい」 生産者に注意呼びかけ

千葉県は、パセリが葉先から褐色になり徐々に枯れていく葉枯れ症状の病原菌を国内で初めて特定したと発表した。同症状の名称として「パセリ葉先枯病」を提唱。病原菌の生育適温となるこれからの季節に発生しやすくなるため、生産者らに注意を呼びかけている。
県農林総合研究センターによると、2021年8月、県内のパセリの畑で葉枯れ症状が発生。同年10月と22年にも同じ症状が計3例確認されたため、同センターが詳しく調査したところ、パセリでは国内未報告のステムフィリウム属菌による病害と判明した。
同菌の生育適温は25度で、雨や水やりの際の飛まつで飛散。同菌が原因となる病害として、トマト斑点病やピーマン白斑病などがある。人には無害で、菌が付着した食べ物を摂取したことによる健康被害は報告されていない。
同センターは現時点でパセリ葉先枯病に対する登録農薬がないことから、主な対策として発生した畑は輪作を行うなどの耕種的防除を行い、かかった株は速やかに持ち出し埋却処分するとした。多湿条件で発生しやすいため、ハウスの換気も必要という。
同センターの担当者は「病気が県内に広がっている訳ではないが、これからの時期は気温が生育適温に近くなり、雨も増えるため発生しやすくなる」としている。