福岡県小郡市とNTT西日本 九州支店、AKKODiSコンサルティングの三者による「小郡市の業務改革推進に関する連携協定」が締結され、2023年9月27日、小郡市役所にて締結式が開催された。
小郡市では昨年度、業務の最適化を図るため、NTT西日本のノウハウを活かし、業務量や業務手順の可視化を実施。その調査結果を受け、ICTの推進やアウトソーシングの活用などによる業務効率化、そして具体策の検討を進めていく中で、今回の連携協定が締結されることとなった。
さらに、三者による協定のほか、小郡市役所内で各課が行う業務改革の伴走支援を目的に、AKKIODiSコンサルティングが地域活性化起業人制度を活用した人材を派遣。それにあわせて、小郡市とAKKODiSコンサルティングによる職員の派遣に関する協定も締結された。
締結式には、小郡市 市長の加地良光氏、NTT西日本 執行役員 九州支店長の右田聖秀氏、AKKODiSコンサルティング 代表取締役社長の川崎健一郎氏が参加。締結された協定により、小郡市、NTT西日本、AKKODiSコンサルティングの担う役割は下記のとおりとなる。
■小郡市
・庁内業務におけるICTおよびアウトソーシングを活用した業務改革の実行
■NTT西日本
・庁内業務課題の解決に向けたDX推進支援
・庁内業務における課題抽出および業務改革案の立案支援
・ICTおよびアウトソーシングを活用した業務改革・具体案の立案支援
■AKKODiSコンサルティング
・庁内業務おける課題抽出および課題解決に向けた伴走支援
・職員のデジタルリテラシー向上、BPR推進のための教育・育成支援
少子高齢化、人口減少、自然災害への対応、感染症後の経済疲弊など、自治体が抱える問題を挙げ、「自治体がこれからどう生き残っていくか、大変な状況にある」と指摘する加地市長。多様な住民の要望に対して真摯に向き合うためにも、今までと同じような仕事のやり方、業務のあり方では対応できない状況を迎えているという。
そんな中、NTT西日本による業務量調査および分析業務によって、様々な課題が浮かび上がり、その課題解決のに向けて、NTT西日本、AKKODiSコンサルティングと連携できることを「頼もしく、心強く思っております」と大きな期待を寄せ、より住民に近いサービスを提供できるように、この協定を活かしていきたいとの展望を明かした。
昨年度、小郡市の業務量の調査・分析を行い、業務量の総量に加え、日常的な業務プロセスの可視化を実施したNTT西日本の右田氏は、「弊社のノウハウやICTソリューション、ネットワークなどのケイパビリティを最大限に活かして、小郡市庁内の業務改革に貢献させていただきたい」と力強い言葉を送る。
さらに、業務プロセスの最適化や行政サービスの維持・向上を通じて、小郡市が目指す“社会情勢に適応した市役所の構築”を、AKKODiSコンサルティングとともに「しっかり支えられるように頑張っていきたい」と今後の展開への意欲を見せた。
国内で8,000名を超えるエンジニアを抱え、2018年から地域創生にも取り組むAKKODiSコンサルティングの川崎社長は、これまで20を超える自治体に対して様々なサービスを提供してきたノウハウを活かし、NTT西日本によって可視化された業務プロセスから、本質的な課題を発見して、「実際に行政職員の皆様とともに、ビジネストランスフォーメーションを行い、行政改革を進めていく」と自信をのぞかせる。
そして、「市民の皆様がワクワクする小郡市」をひとつの大切な軸として、行政改革を支援。「ワクワクするような行政改革の一翼を担えるように全力を尽くしてまいりたい」との意気込みを示した。
DX推進やICTに関しては「正直に申しまして、まだ入り口に入ったところ」と小郡市の実状を話す加地市長だが、「今回の協定によって、本格的に踏み入れていけるのではないか」との期待とともに、「職員がやるべきところとそうでないところの線引を明確にして、全分野、聖域なしで、改善できるところはすべて改善していきたい」と力を込めた。
糸井一臣 この著者の記事一覧はこちら