人気ネタが税込100円! 回転ずしレーンをデジタル化! 40周年を迎えたスシローが“大感謝”で気合い入りまくり

10月に回転すし事業を創業して40周年の期を迎える回転すしスシローは、9月27日に『GO!スシロー40周年 事業戦略発表会』を開催した。

40周年の感謝の想いを込めて展開するフェアの第一弾として、10月4日より全国のスシローにて、“税込100円”のおすしを期間限定で用意する『40周年!大大大大感謝祭り』を実施。“回転すしの一歩先へ”向けた新たな取り組みとして「デジタル スシロー ビジョン」、通称「デジロー」を一部店舗に導入することなどが発表された。

■「大切りめばち鮪」2貫も「本鮪中とろ」も税込100円!

鯛すしの職人が1984年に回転すし1号店を開業したスシロー。本発表会で新居耕平社長が登壇し、創業40周年を記念した渾身の商品の数々や、“回転すしの一歩先へ”向けた店舗での体験価値を高める取り組みを発表した。

10月4日から29日まで開催する40周年感謝祭の目玉商品のひとつ目は、スシローで人気ナンバー1の鮪ネタを使った「大切りめばち鮪」(100円)。赤身の味が濃厚と言われるめばち鮪を使用し、大切りにすることでマグロの旨みを存分に楽しめるようだ。

「スシローは都市型や準都市型、郊外型と地域に合わせて3つの価格帯の店舗を展開していますが、今回は全店均一で税込100円で提供します。昨今、様々なものの価格が上がっているなか、スシローを日々ご利用いただいているお客様に感謝の気持ちを込め、昔と同じ価格での提供です。当社の商品部が頑張って仕入れためばち鮪。本当に自信がありますので、ぜひ一度召し上がっていただければと思います」

2つ目の目玉商品は40周年感謝祭の後半となる10月18日から販売される「本鮪中とろ」。こちらも税込100円での提供だ。脂と赤身のバランスが良く、口の中でとろけ出す脂の甘みと、本マグロ特有のおいしさが凝縮された一皿とのこと。また、同じくフェア後半となる10月18日からは復刻ネタ5商品も販売する。

「目玉となる2商品は、今年5月末に発表した値段を固定しない“白皿”によって実現ができました。白皿の発表時には価格帯の幅を持たせることでお客様に選べる楽しさを提供するとお話しましたが、今回はまさに白皿の真骨頂と言える商品展開です。目玉の2商品以外にも、今年12月末まで税込100円商品を連続して販売します。今後の商品ラインナップにもご期待ください」

■“回転寿司の未来”を体現する「デジロー」

「現在スシローはコロナ禍でニーズが増えたデリバリー・テイクアウト事業にも注力しています。2020年10月から2023年8月の約3年間でテイクアウト・デリバリーの売上は4倍に。実施店舗数は2.5倍にまで拡大しました。ウーバーイーツ様との連携強化によって、スシローアプリから注文すると、店頭価格のままお好きな商品を単品から注文できます。通常はウーバーイーツ様の配達料のみが追加されるかたちですが、この10月の1カ月間は送料300円で展開します」

10月4日より放映スタートする40周年感謝祭の新テレビCMお披露目後、スシローが考える回転寿司の未来を体現する「デジロー」についても紹介された。

「デジタルモニターで表現されたレーンで、見た目のインパクトもありますが、使い勝手も従来のタッチパネルと一線を画しています。スシローではこれまで40年に渡って時代の変化とお客様のニーズを汲み取り、デジタルを活用した取り組みを様々行ってきました。コロナ禍を受け、外食シーンにおいてこれまで以上に楽しい空間づくりを行う必要性を感じていた中で、40周年を機に“回転すしの一歩先”をつくりたいと考えて開発したものです」

65インチハーフの大型ディスプレイに回転寿司レーンを再現し、回転寿司ならではの楽しさをデジタルで表現した「デジロー」。先行して9月21日より「江坂店(大阪府)」で、28日より「新宿西口店」で導入されり、10月には「天白焼山店」(愛知県)での導入も決まっている。

「タッチパネルは一人で操作するものが一般的ですが、「デジロー」は大画面を活かして2人同時での操作ができます。回転すしの選べる楽しさ、商品のこだわりがわかる仕掛け、ゲーム要素など、これまでにない機能を多く搭載しています。(デジローを導入する)3店舗は次世代型スシロー店舗という位置づけで、スシローが考える未来の回転ずしを皆様にお届けしていきたい。実験的な取り組みですが、お客様にご好評なら、今後はパーソナライズな機能を載せていくことも検討したいと考えています」

回転寿司の魅力・醍醐味は新しい食と出会いといった想いから開発された「デジロー」の注文方法は3つ。1つ目は通常の回転レーンのように食べたい商品を選んでカートに入れる方法で、反対側の席の人とも同時に操作できる。2つ目は既存のタッチパネルと同じ仕様で商品メニューから選ぶ方法。

そして3つ目は今回新たに開発された、全商品の中からランダムで抽出された商品をタイル上に表示する「すしナビ」というモードでの注文。「#マグロが好き」など、設定されたテーマボタンをタップすると、その店舗で販売中のマグロ商品が一覧表示される。テーマは今後の商品展開などに合わせて、適宜変更していくという。
■デジタルならでの強みで、新たな体験価値を提供

「デジロー」ではレーンに流れる商品画像など実物の商品に近いサイズで表示され、商品名の表示の有無、デザインや言語などの設定も簡単に変更可能。販促物も画面上で表示し、おすすめ商品の訴求もしやすくなっているそうだ。

さらに、おいしさに対するこだわりやトリビアを紹介するクイズなど、食事をより楽しめるコンテンツを用意。注文額に応じて画面右上のゲージが溜まり、100%に達するとランダムで3種類のゲームが楽しめる。ゲーム結果に応じて、スシローの人気キャラクター“だっこずし”グッズが届く仕組みだ。

本発表会では「Auto Waiter」(オートウェイター)のみの店舗を今後80店舗に拡大することも明かされた。「Auto Waiter」は、自分専用のレーンで注文した商品が目の前までスピーディーに届けられるシステム。

これまでは通常のレーンの上に設置され、併用されるスタイルの店舗がほとんどだったが、店舗スタッフの省人化や業務負荷軽減など、体験価値・利便性という観点からも重要な取り組みとして紹介する。

「私も店舗スタッフと一緒にお仕事したり、直接会話をしたりすることが多々あります。店舗で働くスタッフは非常に忙しく、昨今は外国人スタッフも増え、業務をよりシンプルにしていくことが今後の店舗運営の向上につながると思っています。「Auto Waiter」導入拡大のもうひとつの重要な背景は、今後「デジロー」を本格導入していく際に設置しやすいということもあります。お客様にどれだけご支持いただけるか次第ですが、「デジロー」の導入拡大を見据えた取り組みです」

最後に新居社長は「今回無事に40周年を迎えることができたのは本当にお客様をはじめ生産者の皆様、従業員の皆様のおかげだと思います。次世代型の店舗体験や新システムを今後も積極的に取り入れ、スシローは40年目も精一杯頑張っていきたいと思っています」と、改めて感謝を述べていた。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら