短時間保育無償化へ 千葉県内初、来年4月から 乳幼児の愛着の形成、時短勤務推進 南房総市

南房総市は28日、保護者の所得に関わらず、0~2歳児の短時間保育にかかる保育料を来年4月分から無償化すると発表した。標準時間の保育についても、国が定める基準額の半額ほどに抑える。乳幼児の愛着の形成や保護者の短時間勤務制度(時短勤務)の推進などを図る狙い。市によると、県内自治体で初めての取り組み。
市によると、保育料引き下げの対象者は市内に住所がある0~2歳児で、保育の必要性の認定を受けている人。私立保育所や認定こども園、市内から市外の保育所に通う子も含む。
認可保育では一般的に、保護者の就労時間などによって「標準時間認定」と「短時間認定」の二つの区分に分けられ、認定区分によって施設を利用できる時間や保育料が異なる。このうち、市は短時間認定(1日8時間)の保育料を一律無料にする。子育て世帯の負担軽減を図るため、標準時間認定についても、国が定める基準額の半額程度(市民税所得割4万8600円未満の課税世帯の場合は月額9千円)に引き下げる。
市によると、標準時間で保育を利用する市内在住の0~2歳児は9月1日現在で155人なのに対し、短時間での利用は33人にとどまる。28日の記者会見で、三幣貞夫教育長は「保育利用を標準時間から短時間に移してほしいとの狙いもある。0~2歳は愛着を形成する重要な期間。親子の関係をゆっくり築いてもらえれば」と期待した。
石井裕市長は「企業も含め、子育て世帯を社会が支援していくんだという環境をつくらなければいけない。無償化すると市の収入は減るが、他の予算を削ってでも実施したい」と話した。