暑さに強い“新之助” 一等米比率97%も“猛暑の影響”避けられず「出来は悪くないけど…」【新潟】

連日の猛暑や水不足に苦しめられた今年の夏。コシヒカリなどの一等米比率は、過去最低水準となりましたが、暑さに強い県のブランド米「新之助」の一等米比率は90%台となりました。一方で、異常な暑さがゆえの苦労もあったようです。

【記者リポート】
「新之助は9月下旬から収穫のピークを迎えています。そして、今年も例年通り、一等米の比率は9割以上ということです」

今年の夏、猛暑や水不足に悩まされたコメ農家。

コシヒカリの一等米比率は3%と過去最低水準に落ち込みましたが、県のブランド米・新之助の一等米比率は97%と高い水準を維持しました。

【伊勢亀裕二さん】
「新之助は一等がとれたので、ホッとはしているけど」

こう話すのは、5年前から新之助を生産している新潟市南区の農家伊勢亀裕二さんです。今年、伊勢亀さんの田んぼでは約80トンの新之助が収穫され、その全てが一等米でした。

【伊勢亀裕二さん】
「これが今年の新之助。出来はそんなに悪くないと思うけど、品質はちょっと小粒だと思っている」

1.9ミリの編み目から落ちなかったコメだけが一等米となり、新之助と名乗ることができます。粒の大きさはクリアしているものの、5年間、新之助を生産してきた伊勢亀さんは今年は小粒傾向だといいます。

【伊勢亀裕二さん】
「幅がない。幅圧がない。もみ殻が大きくなっちゃう。暑いので、コメが自分たちを守るために皮が厚くなる」

暑さに耐えようと、コメがもみ殻を厚くすることで、結果的に米粒が小さくなる事態に。さらに…

【伊勢亀裕二さん】
「温度が高かった。新之助は胴割れが一番心配なので…」

これ以上暑さの影響が出ないようにと、伊勢亀さんは収穫を例年より10日ほど早めましたが…

【伊勢亀祐二さん】
「ここに一個あった。これが胴割れ」

登熟期に暑さが続いたことにより、内側に亀裂が入ったコメも見られるということです。

暑さへの耐性を見せた新之助ですが、今年の異常な暑さの影響は避けられなかったようです。