ライナー性の打球がライトスタンドに突き刺さった。グレゴリー・ポランコ外野手が10月2日のライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)でリーグ本塁打王争いトップ(10月2日時点)の26号ソロを放った。快調にホームランを量産していたが9月21日のホークス戦(PayPayドーム)を最後に4番のバットから快音が消えていた。
「ちょっと自分のスイングを見失っていて、自分のスイングを模索していました。このホームランでようやく自分のスイングの形が分かったかなと思う」とポランコ。試合も快勝し、笑顔が溢れた。
□ ■ □
チームメートの優しさに支えられての復調だった。試合前のベンチでいつもチーム最年長ベテランの荻野貴司外野手に声をかけてもらった。荻野は自分の木製バットに刻印された言葉を指さしてくれた。そこには英語で「CONFIDENCE」と書かれていた。日本語に訳すと自信。荻野は「自信が大事。ポランコさんはすごいバッターなんだから」と励まし続けてくれた。自信を失いかけ、笑顔が減っていたポランコはその言葉でいつも笑顔を取り戻し、自信をもって打席に向かうことができた。
キャプテンの中村奨吾内野手はバットを貸してくれた。気持ちを切り替えるために何かを変えたいと思い悩んでいた中でキッカケをくれた。そしてバットの芯に手を当て「打てますように」と念を込めてくれた。主将の優しさが助っ人の心に染みた。その試合でヒットを打ち、翌日、自身のバットに戻し、ホームランが生まれた。
□ ■ □
「時には小さなことを少し変えてみることで流れが変わって、いい流れにつながることがあります。(中村)奨吾さんにバットを貸してもらったことでヒットを打てました。そしてその流れでホームランを打つことができました。本当に感謝をしています」とポランコは感謝の言葉を並べた。
シーズンも残りわずか。1勝に今まで以上の重みが加わる。4番のバットにかかる期待は大きい。そしてポランコには球団では1986年落合博満氏以来となるホームラン王のタイトルへの期待もかかる。ポランコがホームランを量産しチームを頂上決戦へと導く。大好きなチームメートたちと一緒に笑うために、豪快なアーチを放つ。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)