〈足立区住職・練炭28個で殺人〉逮捕の霊園会社開発社長(50)の不倫相手“美魔女”役員(63)はヒステリックなクレイマー気質で住職を怒らせ霊園を出禁に。練炭は社長が購入

東京都足立区の浄土宗「源証寺」の納骨堂で今年7月、住職の大谷忍昌さん(当時70歳)が殺害された事件で、警視庁捜査1課が殺人などの容疑で逮捕した霊園開発会鵠祥堂」=千葉県鎌ケ谷市=の社長・斎藤竜太容疑者(50)と同社役員の青木淳子容疑者(63)。青木容疑者は同寺を出入り禁止扱いにされていたことがわかった。
事件では鵠祥堂社長の斎藤容疑者も共犯で逮捕されているが、霊園運営を巡って終活カウンセラーなどの資格を持つ青木容疑者が打ち出す方針と、大谷さんの計画が合致しなくなり、深刻なトラブルに発展したとみられる。社会部デスクが語る。「鵠祥堂は同寺に隣接する庭園型霊園『足立セメタリーパーク』の造成を手掛け、2020年3月には販売・管理の契約を結んでいます。当初はもちろん両者の関係は良好だったのですが、『宗派不問』としていた墓石の販売条件を、住職の大谷さんが『在来仏教徒に限る』と変更するなど契約にない注文を次々につけるようになった。社長の斎藤容疑者はおとなしい性格で知られており、ここで交渉の表に立ったのが青木容疑者だったようです。シングルマザーで生命保険の外交員としてキャリアを積み、さまざまな資格も保持している青木容疑者は口も達者で、大谷さんは煙たくなって途中から出入り禁止にしたとみられています」
殺害された大谷さん(知人提供)
だが、出入り禁止にされたぐらいで殺されたのではたまらない。そこまでの恨みをどう募らせ、具体的にどうやって二人で犯行計画を練ったのかは今後の捜査次第だ。とはいえ、創建500年近い古刹の41代目住職として、経営手腕を発揮してきた大谷さんと真っ向から渡り合った青木容疑者とは、どんな人物なのか。「青木さんはとても自分の人生に前向きな方だったので、ああいった事件を起こすとは信じられません」こう口火を切った知人は、青木容疑者の人となりをよく知っていた。「彼女も私も終活カウンセラーの資格を持っていて、その絡みで知り合いました。出会ったときには今の会社に勤めていましたが、昔は生命保険の外交員をされていたとも聞いています。『やり手』ということは話している感じでわかりますし、ファイナンシャルプランナーの資格も持っていたので、お金に関することも熟知していて、とても計画的なタイプです」なぜ葬祭関連の仕事に興味を持ったのかは知らなかったが、寺社との関係を深めた青木容疑者は、とても充実していたように見えた。
青木容疑者(本人SNSより)
「こういう言い方が正しいかわかりませんが、檀家さんたちと自分の人生について考える終活セミナーなどをやっていて、本人もすごく楽しんでる様子でした。青木さんはお墓のあり方などについてセミナーでもお話をされて、昨今のお墓にまつわるさまざまな問題についても『避けて通れない問題』と熱心に語っていました。もちろん人には表の顔と裏の顔があるし、よほどの理由があったのでしょう。最後にお会いしたのはコロナ前でしたので、お互い忙しくて『今年こそは絶対会おうね』って言っていたのですが、こんなことになってしまって残念です」(同前)
青木容疑者のひいた損得勘定では抑え切れない激しい殺意が両容疑者にあったのだろうか。自宅周辺では「青木容疑者はヒステリックな女性だった」と証言する住人もいた。「あの人はもうここに40年住んでるから、ずいぶんと偉ぶるんだ。年長者や同じくらいに家を建てた人には感じがいいけど、新しい人や若い人には上から目線の物言いで、『工事の音がうるさい』『静かにしろ』と怒鳴り込んでくる。あまりかかわりたくなかったね」
青木容疑者の自宅(撮影/集英社オンライン)
前出の社会部記者が補足する。青木容疑者は気が強く、口が達者でクレーマー気質、金にまつわるトラブルは今回だけではないようです。また、逮捕の際に任意同行を求められたときも拒否し抵抗をみせたため、警察は逮捕状をとって緊急逮捕している。対照的に斎藤容疑者は任意同行に応じ警察署で逮捕された」鎌ヶ谷市内の戸建ての住宅で妻と仲睦まじく暮らしていた斎藤容疑者は動物好きで知られ、近隣からの評判もよかった。
斎藤容疑者(本人SNSより)
千葉県内で無料または低価格で子どもたちに食事の提供を行っているNPOの関係者は、斎藤容疑者の心優しい一面を思い出し、凶悪事件との違和感を拭い去れない。「事件が事件なのでこんなことは言いづらいのですが、斎藤さんは私たちからするとありがたい方でした。地域で交流を深めたり、貧困に苦しむ子どもや家庭を支援する取り組みを行っている我々のところに、斎藤さんから5年前に『素晴らしい活動だと思います。ぜひ支援させていただきたい』とご連絡をいただき、お会いしました。とにかく真面目な方という印象しかありませんでした。それから毎月欠かすことなく寄付を続けてくれています。金額については言いたくありませんが、私たちにとってはありがたい、そういう方だったのはたしかです」
心優しい愛妻家とみられていた斎藤容疑者だが、青木容疑者とは不倫関係にあった。前出の青木容疑者の近隣住民によると「夜に2人で仲睦まじく帰ってきて斎藤さんが泊まることもしょっちゅうだった」と話す。「斎藤・青木容疑者のどちらが主犯なのかはこれからの調べで明らかになりますが、斎藤容疑者が所有するトランクルームから練炭数十個と着火剤が押収されている。また、犯行に使われた練炭も斎藤容疑者が事件の数日前から複数日に分けて、ホームセンターで大量に購入しており、(本人は否認しているが)知らなかったでは通らないでしょう」(前出・社会部記者)
殺害された大谷さん(知人提供)
鵠祥堂の同業者で、足立セメタリーパークの販売にも関わっている男性はこう語った。「何がトラブルの原因なのかは、正直本当にわかりませんが、われわれが今一番に考えなきゃいけないのは利用者の方たちのことです。もちろん経営主体である源証寺がある以上、霊園の使用権がなくなることはないでしょうが、利用者は当然不安ですよ」同業者はあくまで一般論として、次のように解説してくれた。「今回の事件の報道で出ている、墓石の販売を在来仏教徒に限定するか、宗派不問にするかで揉めたというのも、本来ではあり得ないことです。販売委託をする際に契約書を結んでいますから、あとから販売条件が変わるなど本来は起こり得ないはずです。とは言うものの、経営主体と販売委託の間でトラブルというのは起こってしまっています」歴史ある寺の住職と墓石屋、そしてやり手の女性終活プランナー。三人三様の人間模様が交錯した霊園で何があったのか。それを解き明かさない限り、仏の道は開けない。
現場となった源証寺(知人提供)
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