10月11日、新潟地検が起訴した県職員の男と建設業者顧問の男2人が別の工事の入札でも談合した疑いで再逮捕されました。また、新たに建設業者3人を逮捕。警察は業界で組織的な談合があった可能性も視野に捜査しています。
12日午後の新潟地検。
【記者リポート】
「午後1時50分すぎです。新潟地検に須貝容疑者を乗せた車がまず入ってきました。身柄が検察へと移されます。続々と容疑者を乗せた車が新潟地検へと入っていきました」
県警は11日、官製談合防止法違反などの疑いで、県新発田地域振興局・元農村整備部長の鶴巻博文容疑者を、また公契約関係競売入札妨害の疑いで、岩村組顧問の本田任容疑者を再逮捕しました。
11日、新発田市の区画整理工事をめぐる談合事件で新潟地検から起訴されたばかりの2人。今回の逮捕容疑は、県が発注した別の工事の入札についてでした。
【記者リポート】
「こちらが工事を予定していた現場です。田んぼと用水路をパイプでつなぎより水を行き渡らせるための工事が予定されていたということです」
この工事の入札に関し、警察は鶴巻容疑者と本田容疑者の2人に加えて、胎内市の建設業者・小野組の須貝真司容疑者、延本建設の佐久間功容疑者、西奈美組の西奈美裕輔容疑者の3人を逮捕しました。
【記者リポート】
「午前9時すぎ。段ボールを抱えた捜査員が西奈美組へと入っていきました。これから県警による家宅捜索が行われます」
午前から西奈美組などに家宅捜索へと入った捜査員。
【記者リポート】
「正午を回りました。延本建設から、いま捜査員たちが段ボールを抱えて出てきます。全部で段ボール6・7個ほど、捜査員が次々と運び込んでいきます」
警察によりますと、鶴巻容疑者は今年8月31日に行った工事の入札で本田容疑者に対し、工事の予定価格などを教え、4人と共謀のうえ、西奈美組に2070万円で工事を落札させ、公正な入札を妨害した疑いが持たれています。
工事の予定価格は2167万円で西奈美組の落札率は95.5%でした。
いったい誰が談合を持ちかけたのか…警察は5人の認否を明らかにしていません。
一方で、新発田市の事件では周辺の建設業者などからは、こんな声が…
【建設業者】
「様々な会社が工事がとれるようにする調整の中心的な役割を担っていた」
【建設業者】
「本田さんは確かに色々入札を仕切っていた」
今回の入札でも、鶴巻容疑者が本田容疑者に工事の予定価格などを教えていますが、落札したのは岩村組ではなく、西奈美組だったことから、本田容疑者が入札の調整役を担っていたと見られます。
業界の組織的な談合が横行していた可能性も否定できない中、県職員が再逮捕されたことを受け、花角知事は…
【花角知事】
「本当に遺憾に思う。事実関係が明らかになったうえで、必要な対策・どんなものが考えられるかは検討していきたい」
警察は事件の全容解明に向け、捜査を進めています。