2年越しの念願の就航へ 「オレンジウミガメ」のANA超巨大機、デビュー前日の客室に潜入! その様子は?

ANA機なのにオレンジ、こりゃハワイで激映えでしょうね!
2023年10月20日より、いよいよ定期旅客便への投入が予定されている、ANA(全日空)の超大型旅客機エアバスA380「フライングホヌ(FLYING HONU)」の3号機(機番:JA383A)。胴体全面に「オレンジのウミガメ」が描かれた特別塗装を特徴としてします。就航前日となる19日は、この機はどのような様子で、どういった準備が進められているのでしょうか。
2年越しの念願の就航へ 「オレンジウミガメ」のANA超巨大機…の画像はこちら >>就航前日のANAのA380「フライングホヌ」3号機の様子(2023年10月19日、乗りものニュース編集部撮影)。
この「フライングホヌ」3号機は、今回のデビューまで紆余曲折があった機体として知られています。
ANAではA380「フライングホヌ」を成田~ホノルル線の専用機として3機保有。それぞれ異なるカラーリングで、ハワイで神聖な生き物とされる「ホヌ(HONU。ウミガメの意味)」の特別塗装を施しています。
ハワイの「空」をイメージした「ANAブルー」のカラーリングを持つ1号機(JA381A)は2019年5月就航、ハワイの「海」をイメージした「エメラルドグリーン」のカラーリングを持つ2号機(JA382A)は2019年6月に就航。
そして、ハワイの「夕陽」をイメージした「サンセットオレンジ」のカラーリングを持つこの3号機は、当初2020年内に受領し、同年中にも運航開始を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響をうけ、受領・投入も延期となりました。
最終的に3号機は当初の計画より1年半遅れとなる2021年10月に日本に到着したものの、その後は数か月に一度のペースで、整備作業の一環として短期間のフライトをするのみ。1号機、2号機の2機は2022年7月より定期便への投入が再開されたものの、3号機は成田空港の駐機場にとどめ置かれたままでした。もちろん、この機は、これまで乗客を迎え入れたことはありません。
ようやく”念願”となる定期便デビューが決定した3号機は就航に先駆け、機体の外装洗浄が成田空港で行われたのち、中国・アモイ(厦門)へ飛び整備作業を実施。18日早朝にアモイから成田空港へ戻ってきました。
そして就航前日となる19日の3号機の客室では、乗客を迎え入れる準備清掃が行われました。
ここでは通常の清掃を担当しているスタッフのほか、9名のANAグループ社員もボランティアで参加。4クラスで計520席ある超大型機の客室をともに掃除したほか、各席に備え付けられている「安全のしおり」やイヤホン、ヘッドレストなどの設置作業などを担当しています。
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就航前日のANAのA380「フライングホヌ」3号機の様子(2023年10月19日、乗りものニュース編集部撮影)。
この機の清掃作業の責任者を務めるANAエアポートサービスの蔭山みゆき課長によると、他の旅客機では15名で45分程度かけて清掃するのが標準的ななか、A380では25人体制で、約75分をかけ作業を実施するのだとか。
また、3号機の客室の清掃作業が行われるのは、今回が初めてとのこと。作業前に同氏は「汚れが溜まってる場所もあるんだろうなと思いながら、3号機の客室に初めて入りましたが、新しい飛行機の香りを感じますし、キレイな客室だなと感じました。さらに磨き上げてもっとキレイにできればと思います」と語り、「3号機が到着してから、飛ぶごとができない時期をずっと近くで見てきたので、やっと飛ばせるという思いです」と話します。
A380の3号機の投入初便は、10月20日のNH182便(成田21時30分発→ホノルル午前9時20分着)を予定しています。ANAによると、同日よりA380運航便は週10往復になるとのことです。