全国でクマの出没やクマによる人身被害が相次ぐ中、10月19日夜、新潟県阿賀町で60代の男性が柿の木に登っていたクマに襲われケガをしました。男性の命に別条はなく、県は不要な農作物は適切に処分するよう呼びかけています。
【齋藤正昂アナウンサー】
「現場は山あいにある集落です。このあたりは街灯が少なく、夜になると真っ暗になるといいます。男性は車を降り、この道を歩いて帰宅していた途中でクマに襲われたということです」
19日午後10時前、阿賀町新谷で60代の男性が買い物から帰宅したところ、自宅の敷地内にいたクマに襲われました。
警察によりますと、クマは男性に馬乗りの状態となり、男性は顔や腕などを切るケガをしたということです。
その後、クマは逃げ男性から助けを求められた近くに住む人が119番通報。男性は新発田市内の病院に運ばれ入院していますが、意識はあり命に別条はありません。
【通報した人】
「玄関でうずくまって『痛い、痛い』と。この辺、クマはいっぱい出ているが、人的被害はなかったから。不安、暗くなったら外に出られない」
男性を襲う直前にクマがいた家の敷地内にあったのは柿の木。
【齋藤正昂アナウンサー】
「こちらの柿の木にクマが登っていたとみられていて、木の幹を見てみますと、爪痕や枝にはクマが食べたであろう柿の実が残っています」
【阿賀町有害鳥獣被害対策専門員 江花一実さん】
「この爪の幅を見ると、1m30cm以上の体長の結構大きなクマ。エサを食べているときに人が通りかかると、自分の食べ物を横取りされると思って攻撃する習性があるので、それでやられたんじゃないかと」
これを受け、阿賀町の職員はクマが登っていた柿の木の実をすべて処分しました。
【阿賀町有害鳥獣被害対策専門員 江花一実さん】
「クマの習性として、1回食べたものを繰り返し、また食べに来る。また来て、周囲のほかの方が被害に遭うといけないので、緊急的に対応した」
クマのエサとなるブナの実が凶作となっている今年。県はクマがエサを求めて人里に降りてくる可能性が高いとして、クマ出没警戒警報を発表し、警戒を呼びかけています。