10月8日まで行われ、東海地方ゆかりのアスリートのメダルラッシュに沸いたアジア大会。中でも圧倒的な強さで金メダルを獲得したのが、レスリング女子53キロ級、三重県四日市市出身の藤波朱理(ふじなみ あかり)選手19歳。中学2年生から“公式戦負けなし”、現在130連勝中と無類の強さを誇っています。ことしの世界選手権でも優勝を果たし、見事パリオリンピックへの切符をつかみました。
パリ五輪期待のレスリング藤波朱理選手(19)生出演 「いつも…の画像はこちら >>
ずっと思い描いていた夢に一歩近づいた藤波朱理選手が10月23日、父でコーチの俊一さんとともに、「チャント!」のスタジオに生出演。強さの秘密を実践して教えてくれました。
CBC
(夏目みな美アナウンサー)スペシャルゲストです。女子レスリング53キロ級・藤波朱理選手。そして、父でコーチの俊一さんです。よろしくお願いいたします。スタジオには、特設のマットを用意しています。
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(夏目アナ)後ほど強さの秘密を実演していただけるということで非常に楽しみなんですが…まずはアジア大会の優勝。そしてパリオリンピック代表内定、おめでとうございます。(大石邦彦アンカーマン)パリオリンピック代表内定からほぼ1か月経ちましたけれども、改めてどんなお気持ちですか?(女子レスリング53キロ級・藤波朱理選手)本当にたくさんの人にお祝いしてもらって、だんだんとパリオリンピックの代表に内定したんだなというふうに実感が湧いています。
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(大石アンカーマン)お父さんも実感は湧いてきましたか?(父・コーチの俊一さん)そうですね、やっとここまで来たかという感じです。
(大石アンカーマン)世界選手権、アジア大会と二つの大会で優勝したわけですけれども、何かお父さんにご褒美もらえましたか?(藤波選手)いや…もらっていないですね(笑)(父・コーチの俊一さん)11月に誕生日ですので、その時にお祝いしたいと思っています。(大石アンカーマン)そんな予定があるんですね。ちなみに朱理さん、何がいいか、いま言っておいた方がいいですよ、生放送で。(藤波選手)そうですね…高いものを期待しております(笑)
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(大石アンカーマン)モノというか、値段が大事なんですね(笑) お父さん、「高いモノを」と言われていますけど、大丈夫ですか?(父・コーチの俊一さん)できれば、品物を言ってもらった方がいいと思うんすけどね(笑)
(夏目アナ)夢だったオリンピック代表内定を決めた世界選手権。去年はけがで出場できなかったということで2年ぶりの舞台でしたが、朱理選手いかがでした?(藤波選手)やっぱり去年出場できなかった分、ことしは絶対に優勝するという思いで挑みました。(大石アンカーマン)世界選手権なんですけれども、結果を見てみると、ここ(準々決勝)だけ逆に目立つんですね。全部(失点)ゼロなんですけれど、準々決勝だけ7点取られているんです。失点しないことで有名な朱理選手なんですけども、この準々決勝の試合って振り返ってみると、まず5点先行されましたよね。あの時はどんな気持ちでしたか?
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(藤波選手)そうですね…正直、焦りの気持ちはありました。(大石アンカーマン)それが落ち着いたのはなぜですか?(藤波選手)やっぱり頭の中で“オリンピック”っていうのがよぎって『ここでは負けられない。絶対に自分が勝つ!』というふうに思いました。(大石アンカーマン)お父さんは5点取られた時に、何かアドバイスはしましたか?(父・コーチの俊一さん)「大丈夫だ」と。「自分のレスリングをすれば大丈夫だ」と。日頃から練習を見ていますからね。距離感とかね、そういったところとやはりオリンピックの予選がかかっていたということで、ちょっと緊張していたんじゃないかなと分析しています。
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(大石アンカーマン)「大丈夫だ」と声をかけられて、朱理さんはどんな気持ちになりました?(藤波選手)そうですね…オリンピック予選という舞台でも“いつもいる人がいつも通りの言葉をかけてくれて”安心したというか、冷静さを取り戻せました。(大石アンカーマン)やっぱりセコンドにお父さんがいるというのは、違いますか?(藤波選手)そうですね、やっぱり自分がレスリングを始めた頃から今まで自分のレスリングを見てくれて、すごく自分のレスリングを誰よりも知ってくれている人だと思うので、すごく心強いです。
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(大石アンカーマン)お父さん、こういう感謝の気持ちって言ってもらえているんですか?今まで。(父・コーチの俊一さん)いやあね、こうやってたまに言ってくれるから余計うれしいですよね。私もただ言ってる話じゃないですけど、根拠があってね、「大丈夫だ」というのが言える。(夏目アナ)改めて、藤波朱理選手のプロフィールです。三重県四日市市出身。2003年11月11日生まれなんですね。もうすぐ20歳になるということです。藤波選手、20歳になってしたいことは何でしょうか?(藤波選手)そうですね、美味しいお酒をちょっと飲んでみたいなっていうふうに思います。(夏目アナ)これ、実はお父様も、一緒にお酒を飲まれることを楽しみにしているということですね?(父・コーチの俊一さん)飲める体質かどうかわかりませんけど、一応11日の誕生日の日にお祝いを兼ねて、誕生会をしたいと計画してます。親としてはね、あんまり飲まれない方がいいんじゃないかなと…正直言って(笑)
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(夏目アナ)自宅でなのか、お店でなのか、どんなお酒を飲むのか…何かもう決めていらっしゃるんですか?(藤波選手)11月11日は家族で、外で食べようと話をしています。(夏目アナ)20歳になってさらなる活躍が期待されます。公式戦130連勝中ということなんですけれども、藤波選手の中で“連勝”というものについて、特別な意識は何かあるんでしょうか?(藤波選手)いや、本当に自分の中ではあまり意識していなくて、本当にオリンピック金メダルっていうのを目標に今までもこれからもやっていくので、意識はしていないです。
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(大石アンカーマン)世界選手権の後に間隔があくことなく、アジア大会だったわけですけれども、この間隔がないっていうのは、自分の中ではやりづらいとかはないんですか?(藤波選手)そうですね、初めての経験で、やっぱり世界選手権を優勝してもすぐにアジア大会があったので、心から喜べないところがあって、大変なところはありました。(大石アンカーマン)疲れはありませんでした?(藤波選手)そうですね、万全な状態ではなかったのかなと思います。
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(大石アンカーマン)アジア大会なんですけども、実は「失点ゼロ」なんですよね。これを見ると、やっぱりお父さんのアドバイスというか、もう1回練り直して対策を取ったってことなんですね?(父・コーチの俊一さん)そんなに細かいアドバイスをした覚えはありませんけどね。特に決勝の相手、中国の選手は東京オリンピックでメダルを取った選手なんですけど、その選手に対してはちょっと意識していましたけどね。
(夏目アナ)では、藤波朱理選手がどうしてこんなに強くなったのか。その強さの秘密なんですけれども、それは「ぶれない構え」そして「足を触らせない」…これは俊一さん、どういうことなんでしょうか?(父・コーチの俊一さん)レスリングでは、非常にバランスが大事だと。バランスが崩れると、足へのタックル、足を触らしてしまうということで、バランスの良い構えをとることが足を触らせないって形になるんです。(夏目アナ)そこできょうは、マットの上で大石アナと実演していただきたいと思います。
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(大石アンカーマン)まずは「ぶれない構え」ということでしたけれども、構えとしては、足のバランスはどっちに体重をかけているんですか?(藤波選手)左足が前には出てはいるんですけれど、半分半分の体重ではあります。やっぱりどちらかの足に体重がかかってしまうと反応が遅れてしまって、そこにタックルが入られるっていうことがありますね。(大石アンカーマン)まずは、私はどっちを狙いに行けばいいですかね?(父・コーチの俊一さん)基本は出ている方の足(左足)になるんですけど、そこはある程度こちらもね、注意するじゃないですか。しかし、後ろの足(右足)も注意するという。(大石アンカーマン)わかりました。ちょっと前足にいっちゃうかもしれませんよ。
CBC
大石アナのタックルは、さらりと避けられました。(大石アンカーマン)なるほど、なるほど…(父・コーチの俊一さん)どちらでも足を触れる状態。それが「均等加重」といいますかね。(大石アンカーマン)もうあれですね、僕が移動しようと思ったら構えている手で受けるんですね。まずは組み手で押さえる。そして、私が足を取りに行こうとすると…あ、バックを取られた。これでポイント。組手で押さえて…
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(夏目アナ)早い…(笑)(父・コーチの俊一さん)バックステップした時も、後ろにまわる時も、できる限り構えを変えないというのが大切。常にバランスをとっている。(大石アンカーマン)こうやって、とにかく触らせないようにしているのが、失点させない最大の理由なんですね。オリンピックに向けてこれを磨いていくってことですね。(夏目アナ)改めて、ご本人にうかがいたいと思います。パリオリンピックの目標は?
CBC
(藤波選手)金メダル獲得です!(大石アナ)2人のウイニングランが見てみたいです。ありがとうございました!2023年10月23日放送 「チャント!」より