効果絶大?ウクライナ軍が初投入の「エイタクムス」英国防省が影響を分析

ロシアにとっては「泣きっ面に蜂」?
イギリス国防省は、2023年10月20日(金)に更新したウクライナ紛争の戦況分析で、ロシア軍が使用している南部ベルジャンシクと東部ルハンシクの飛行場が攻撃された可能性があると発表しました。
効果絶大?ウクライナ軍が初投入の「エイタクムス」英国防省が影…の画像はこちら >>実弾射撃を行うアメリカ陸軍の「ハイマース」(画像:アメリカ陸軍)
ベルジャンシクでは9機、ルハンシクでは5機のロシア軍ヘリコプターが破壊された可能性が高いとしています。この攻撃をめぐっては、ウクライナ国防省が10月17日(火)に飛行場攻撃「ドラゴンフライ作戦」が成功したと発表。長距離陸軍戦術ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」を使用したことを示唆していました。 「ATACMS(エイタクムス)」は、ウクライナがアメリカに供与を求めていた長距離の地対地ミサイルで、既に活躍している高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などから発射することが可能です。今回、ウクライナ軍の攻撃目標となったベルジャンシクは、ロシア軍が南部戦線の主要な作戦基地として使用しています。 イギリス国防省は、ロシア空軍の固定翼機による近接航空支援が「極めて貧弱」だと指摘。ウクライナ軍が反攻を続ける中、ロシア軍は占領地の防衛線を維持するために、ヘリコプターによる支援に依存するようになっているといいます。 また、今回の損失は、ロシア軍の更なる防衛・攻勢の実施能力に影響を与える可能性が非常に高いと分析しています。ロシアの軍事生産の逼迫状況を考慮すると、機体の損失を短期~中期的に補填するのは難しいとのこと。長期間の戦闘による疲労とメンテナンスの問題に悩まされているロシア軍の機体と搭乗員に、更なる圧力が加わる可能性があると分析しています。 さらに、今回の攻撃によってロシアが作戦基地と指揮拠点を最前線から離れた場所に移転せざるを得なくなり、兵站にかかる負担が増す可能性があるとしています。