すみだの「ものづくり技術」と台湾の「デザイン技術」の融合
東京・墨田区が「ものづくり産業」のさらなる発展を目指し、台湾の政府系デザイン振興機構「台湾デザイン研究院」(TDRI)と連携、千葉大学を含めた3者による協定締結式が25日、墨田区役所で行われた。この協定は、すみだの「ものづくり技術」と台湾の優れた「デザイン技術」の融合で製品開発、人材交流につなげることが目的。墨田区の「大学のあるまちづくり」政策のもと、2021年4月に墨田サテライトキャンパスを開設した千葉大学も含めた3者での連携となる。
墨田区はこれまでも、千葉大学が有する文化デザインや視覚伝達デザインなどの知見を活用した共同研究事業を実施。山本亨区長は「協定締結を契機に、TDRIと千葉大がデザイン交流を行うことで、すみだをフィールドとしてどんな製品開発につながるのか。すみだのものづくりのさらなる発展に向け、大変ワクワク期待している」とコメントした。
TDRIとしても、墨田区には優秀なものづくり技術を持つ職人が多いことや、スカイツリーを中心とした観光地として台湾からも多くの人が墨田区を訪れることなどから連携のメリットを強調。張基義院長は「千葉大学も世界的に優れた学校で、デザイン学科からたくさんの優秀な人材を輩出している。墨田区と共同で行っている様々な研究がさらに進むことを期待している」と説明。千葉大学の渡邉誠理事も、体調不良のため出席できなかった中山俊憲学長のコメントを代読する形で「墨田区での教育研究活動や社会連携活動を一段上げるきっかけになる」と期待感を示した。
今後の具体的な取り組みとして「台湾設計×日本精造」を基軸とした製品開発を区とTDRIが中心になって進め、販売促進に向けたデザインアプローチを千葉大学が担っていく。山本区長は最後に「『国際文化観光都市すみだ』の実現、すみだのものづくりを世界に発信していけるよう、様々な取り組みを加速させていきたい」と話した。