パリッコのおつまみ革命 第32回 静岡・清水の名物料理「もつカレー」を手軽にレトルトで作ったら、ぷりぷり牛もつに濃厚カレーが絡まり背徳感の極みだった

静岡県の清水に「もつカレー」という名物料理があります。

老舗酒場「金の字」が考案して大人気メニューとなり、やがては清水全体の名物になってしまったというこの料理。豚もつを串に刺して大鍋でカレーとともに煮込むというもので、僕も一度行ったことがあるのですが、それはもうクセになるお味でした。

ただ、豚もつはそもそもの品質が良くなかったり、ていねいに処理をしないとくさみが出やすい食材。そこで、家庭ではより扱いやすい「牛もつ」とレトルトカレーで、気軽に気分だけ味わっちゃおうというのが、今回のアイデア。

当然、本家と別ものではあるものの、豚よりもこってりとした味わいが、これはこれでビールにばっちりです。
○牛もつをレトルトカレーで煮込むだけ

牛もつを買ってきました。もつ鍋なんかによく使う、シマチョウというやつですね。今回のパックは180g入り。あまり厳密に考えることはないけれど、まぁそのくらいの量でちょうどいいでしょう。

そしたらこれを、熱湯で2、3分ゆでこぼしましょう。下処理ですね。

かなりのアクが出ると思うのでこれを取り除き、もつをザルにあけてさっと洗います。

で、今回のレシピは、ここにレトルトカレーを加えて煮込むだけというお手軽なもの。カレーは、あんまりリッチに具材が入っているとか、お高いやつではなく、シンプルかつリーズナブルなものでじゅうぶんでしょう。まぁ、好き好きでいいんだけど。僕がこういうアレンジの土台としてよく使うのが、袋に4パック入りでかなりお手頃価格の「プロクオリティ」シリーズ。

数分間煮込みます。全体がよく温まり、もつがしっかりカレー色に染まったら完成。

全体がよく温まり、もつがしっかりカレー色に染まったら完成。

これが、甘みがあってぷりぷりとしたもつに濃厚なカレー味が絡まり、も~たまりません!

ちなみに、当然シメに「追いライス」をするのもおすすめ。牛もつの旨みがたっぷりと染み出し、元がレトルとは思えないほど濃厚になったカレーに白メシが合わさっちゃうんだもん。そりゃあ、うまくないわけがない。

○【材料】

・牛もつ:200g前後
・レトルトカレー:1パック
○【作りかた】

1.牛もつを熱湯でゆでこぼし、取り出して洗う
2.レトルトカレーと一緒に鍋で煮込む
3.あれば刻みねぎなどを添えて

パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら