うつ病悪化した母親が5歳娘を殺害 打ちひしがれる父親に近隣住民も同情

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年中休みなしで育児にあたる母親がうつ病を発症し、悪化してしまった場合、周囲はどうするべきなのだろうか。
このたびアメリカ・カリフォルニア州で、まさにうつ病を患っていた母親がわが子を殺害する事件が起き、近隣住民の間にも動揺が広がっている。『CBS News/Sacramento』『KCRA-TV』などが報じた。

14日の昼、スタニスラウス郡モデストにあるアパートの一室で、ファティマ・サナ・アクラムちゃんという5歳の女の子が殺害される事件が起きた。
うつ病を患う母親のミナ・ナザリ(34)が殺人容疑で逮捕されたが、犯行動機はまだ明らかになっていない。
なお、事件当時はファティマちゃんの兄も自宅にいたが、こちらは無事だった。

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事件を知った父親は仕事先からすぐ自宅に戻り、警察に通報。現場に続々と緊急車両が駆けつけ、複数のメディアが隣人たちに話を聞いた。
隣人のランジータ・シンさんは、「お父さんとお兄ちゃんが警察官の聞き取りに応じていましたが、見るからにつらそうで、胸が張り裂けそうになりました」と語る。
また、誰もが異口同音に「ファティマちゃんは、長い黒髪が美しい小さな子」「本当に頭の良い賢い女の子でした」と話したという。

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近隣で暮らすシャンテル・ロドリゲスさんは、「幼い子供の叫び声に何事かと外に出てみたところ、ファティマちゃんのお兄ちゃんが、不安そうに芝生の部分に立っていました」と話す。
兄はそこで保護されたが、「こんな悲劇が起きるくらいなら、何とかそれを防ぐ方法はなかったのか」と悔やむ声も。ミナ容疑者が抱えている問題を知りながら、誰も助けてあげることができなかったためだ。

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ミナ容疑者のうつ病治療、あるいは子育ての様子に不安を感じても、家庭児童保護局に告げる住民はいなかった。
一家は南アジアからの移民で、アメリカでの生活にうまく適応できない部分があったという。近隣住民は、一家のそうした悩みは彼らのコミュニティの仲間に任せることが一番だと考えていたのだ。
実際に当局に通報したところで、「人種差別や偏見だ」と頑なに反論されることがほとんで、介入も難しいことが多いという。