仕事のミスに対する「罰金」を名目に、部下の看護師から多額の現金を脅し取ったとして、病院の元部長らが逮捕されました。その額は計3000万円ほどになる可能性があるということです。病院の関係者:「常に命令口調な印象ですね。人権的な部分で大丈夫かなと思うような言動もありました」 17日、東海テレビの取材に応じたのは、病院関係者の男性です。事件は名古屋市中村区の住宅街にある北林病院で起きました。
逮捕・送検されたのは、北林病院の元看護部長・白石洋二容疑者(56)です。
2019年11月ごろ、55歳の看護師の女性から、仕事上のミスの「罰金」として現金およそ123万円を脅し取った疑いが持たれています。 共犯として、病院の実質ナンバー2にあたる元事務部長の小河ひとみ容疑者(61)も逮捕されました。
看護師の女性に対し、次のような電話をかけていたといいます。<小河容疑者>「あんたはこれからどんどんやらかすから、罰金がどんどん増えていくよ。罰金の上限を2000万円でラインを引いてやる。それをどう返済していくのか、考えて持ってこい」 一体何の罰金だったのか。病院の関係者の男性はこう語りました。
病院の関係者:「電話に出ないだけで罰金の請求をされていた。書類を持ってこなかったりとか、割りに合わないんじゃないかなと思っていたんですけど。何かにつけて被害者女性の仕事のミスに結びつけるところがあったので」 当初は1回100円だった罰金が、1回10万円などと次第に高額になったといいます。罰金が重なり、看護師の女性は寝る時間も削っていたそうです。病院の関係者:「当直の回数も(他の人の)5倍くらいの回数入っていらっしゃっていて。昼間は病院で働いているんですけど、他にもバイトとかでお金を払えるように働いていて。何日も家で寝ていないというようなことも言われていました」 追い詰められた女性は、病院から借金までしていたといいます。病院の関係者:「退職金の前借りという形で、多額のお金を(病院から)借りたみたいですね。そのお金も払っているという話でした。400万円くらい」 罰金の制度は2018年ごろから始まり、要求される額もどんどん膨らんでいったといいます。それでも、看護師の女性はこの病院から抜け出すことができませんでした。病院の関係者:「看護師資格をはく奪するとか、愛知県内の病院で働けなくするとか、そういう脅し文句があったことは被害者女性から伺っています。(小河容疑者は)女性なんですけど男勝りな性格の持ち主じゃないかなと。頭ごなしに怒っている様子とか何度も見ていますね。(白石容疑者は)思い通りにならないと物を蹴飛ばしたりとか、物に当たる姿は何度か目にしたことがあります」 調べに対し、2人はそれぞれ容疑を否認しているということです。<小河容疑者>「恐喝をして受け取ったわけではありません」<白石容疑者>「相手から受け取ってほしいとお願いされたので受け取った」 2人は女性看護師の通帳を管理していたとみられ、警察は徴収した罰金が約3000万円に上る可能性があるとみて、余罪を調べています。