退任後も「増税クソメガネ」の最側近は変わらず? 木原元副長官が「影の総理」として再始動か。官邸に毎週通い、秋の園遊会にお呼ばれしたが…<妻の元夫不審死事件は告訴受理>

木原誠二元官房副長官の妻の元夫・安田種雄さん(享年28)が不審死した問題をめぐり、安田さんの遺族は10月、容疑者不詳の殺人容疑の告訴状を警視庁大塚署に提出し、受理された。この問題をめぐって「俺が手を回しておいた」と、捜査に圧力を加えたともとれる発言をしていたなどと週刊文春に報じられ、9月に副長官を退任した木原氏。しかし、相変わらず「事実上の副長官」「陰の総理」としてふるまっているようだ。
岸田文雄首相の最側近として政権発足以来、官房副長官を務め、「新しい資本主義」などの看板政策の策定に関わってきた木原氏。7月以降、安田種雄さんの不審死をめぐり、当時、安田さんの妻で、現在は木原氏の妻であるX子さんが重要参考人として警察からの事情聴取を受けていたこと、木原氏がX子さんに「俺が手を回しておいた」と発言していたことなどが報じられた。一連の報道を受け、木原氏は釈明の記者会見開催への動きも進めていたが、結局開かれず。木原氏は松野博一官房長官に「私が捜査に圧力を加えたとの指摘は事実無根だ」と報告するなど、一連の疑惑を否定。だが、副長官の慣例となっている、記者団の連日の囲み取材にも「家族のケアが必要」などとしてほとんど応じないまま、9月の内閣改造の際に副長官を退任した。
官房副長官時代の木原誠二氏(本人Facebookより)
退任の際に首相官邸で行われたセレモニーでは「これからも厳しい大海原だと思うが、『岸田丸』が最終目的地まで行けるように力添えをお願いしたい」と内閣官房の職員らにあいさつ。最後には「ご家族を大切に」と言い残した。「折しも、妻の元夫をめぐる不審死や、既婚者であるにもかかわらず、自身の『違法デリヘル』通いが報道された直後のこの発言。首相官邸のエントランスで女性職員が花束を渡し、拍手で送りだすセレモニーでしたが、微妙な、なんとも気まずい雰囲気になりました」(官邸関係者)
官邸を去ったものの、自民党の幹事長代理と政調会長特別補佐という異例の兼務で、総裁選出馬への意欲を隠さない茂木敏充幹事長と党政調の双方ににらみを利かせることになった木原氏。そのアピールは、臨時国会が開会した10月に入ってから本格的に再開した。5月末を最後に更新が止まっていた自身のX(旧Twitter)を臨時国会開会日の10月20日、約5ヶ月ぶりに更新。首相の所信表明演説を「コストカット型経済・デフレ経済からの脱却に向けた変化をつかみ取り、賃上げと投資が牽引するインフレ基調の成長型経済へ移行させようとの、総理の強い意欲を感じました」と持ち上げた。それもそのはず、今回の所信表明演説の原稿作成にも、木原氏は大きく関与していたのだという。
「増税クソメガネ」こと岸田文雄首相(本人Facebookより)
「木原氏は、週1~2回は官邸を訪れ、首相と経済対策などを協議しています。議員会館の木原氏の事務所には、嶋田首相秘書官や、木原氏の後任の村井英樹副長官が頻繁に訪れています。村井氏は木原氏の財務省の後輩にあたりますし、やりづらいでしょう」(自民党関係者)「『増税クソメガネ』批判を気にしてぶちあげた1人あたり4万円の『減税』にも木原氏が大きくかかわっていますが、木原氏の打ち出す政策が国民の支持を得ているとは言い難い。しかし、支持率が低迷し、安倍派の世耕弘成参院幹事長ら党内からも公然と批判を受ける首相が頼りにできるのは、木原氏しかいないのです。木原氏もそんな首相を小バカにし、相変わらず『事実上の副長官』『影の総理』としてふるまっています」(全国紙政治部記者)
週刊文春が安田さんの不審死をめぐる一連の疑惑を毎週のように報道していたときには、官邸の裏口から出入りするなど、徹底して記者との接触を避けていた木原氏。しかし、報道も落ち着いた昨今は、ふだん通りの様子に戻ってきているという。「相変わらず、若い男性記者のことは見下していて塩対応ですが、女性記者にはデレデレしながら国会内を闊歩しています。自身の選挙区も、共産党の現職がいるため、野党第一党の立憲民主党は候補者を擁立していません。選挙も余裕だと考え、ふだんのふてぶてしい木原氏に戻っています」(全国紙政治部記者)
木原氏後任の村井英樹官房副長官(本人Facebookより)
木原氏は11月2日に開催された、天皇皇后両陛下主催の秋の園遊会にも招待されていた。シンガー・ソングライターの松任谷由実さんや将棋棋士の加藤一二三さんなど、各界の功労者やその配偶者ら約1400人ほどの招待者名簿の中に、木原氏の名前もあったのだ。「園遊会の招待者に届く菊の御紋入りの招待状には、木原氏の名前とともに夫人も招待する旨が書いてあったはずです。ですが、国会議員の集団の中に木原夫妻は見かけませんでした」(園遊会参加者)「X子さんだけでなく、木原氏も出席しなかったそうです。永田町では傲慢な態度の木原氏も、さすがに陛下の前に出るのは遠慮したのでしょうか……」(全国紙政治部記者)死亡した安田さんの父は、安田さんの不審死をめぐる告訴状の受理を受け、会見で「ちゃんと捜査してもらいたい。警察に期待しています」と切実な思いを語った。連日、永田町で「影の総理」然としてふるまう木原氏は、ひとりの父親の訴えに何を思うのか。取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班