ギリシャで工場から大量のオリーブオイルが盗まれる 内部犯行の可能性も

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南ヨーロッパに位置するギリシャで、大量のオリーブオイルが盗まれた。損失額は約30万ユーロ(約4,700万円)に上るという事件を『The Guardian』や『New York Post』が伝えた。

ギリシャにある200件ほどのオリーブオイル製造者が管理するオリーブオイル保管施設が襲われ、約37トン(約3万7,000キロ)のオリーブオイルが盗まれた。
ギリシャは、スペインやイタリアに続く世界上位のオリーブオイル産出国だが、特に高品質のエクストラバージンオリーブオイルが有名だ。2021年の国別ランキングでは、世界のオリーブオイル生産量が2位だった。
ところが温暖化の影響によってオリーブの収穫量が年々少なくなっており、オリーブオイルの価格高騰が続いていた。地元ではオリーブオイルは『金の液体』と呼ばれ、文字通り金と同じくらい高価なものになりつつあるそうだ。

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ギリシャのオリーブ農園では今年、夏の気温が47℃にも達したうえ、雨が降らなかった冬の影響で、オリーブが不作の年になるとみている。スーパーマーケットには、オリーブオイルの代替品としてひまわり油が増えているのだという。
ある調べによると、過去1年間でギリシャ人が消費するオリーブオイルは30%も減少しており、異例の事態となっている。
ギリシャの労働者の平均賃金は月収1,000ユーロ(約8万7,000円)ほどで、近隣の欧州連合加盟国のなかでは低い水準だ。そのため国民は、オリーブオイルと比べて価格が3分の1ほどのひまわり油を購入するしかないのだという。

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今回、襲われたオリーブオイル保管施設には、厳重なセキュリティシステムが設置されていた。しかし、それ突破して大量のオリーブオイルを盗むことができた手口から、内部犯行の疑いが強まっている。
オリーブオイルが盗まれたのは、この保管施設だけではない。鉄の扉で仕切られたオリーブオイル工場からも盗まれていた。
業界団体の代表は、「昨年オリーブが不作だったため、価格は以前の200%増になっている」と話す。盗まれたオリーブオイルは約30万ユーロ(約4,700万円)ほどになるとみられ、組織的な犯行の可能性も示唆されている。

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オリーブオイル標準化産業協会の理事長は、「ギリシャのオリーブの減少は最大の懸念」と話す。盗難事件は小さな問題であり、本当の脅威は温暖化だと指摘する。
「ギリシャはオリーブ栽培に4,000年の歴史がある」「オリーブ畑を涼しい土地へ移すことを真剣に考える必要がある」と言及した。