「クソガキ!舐めんな」「1800万円貢いだんだ」女性客が入れあげたホストを路上で刺して殺人未遂。12時間後、別の男がビルの上から両手を広げて飛び降り…歌舞伎町3連休“最悪の最終日”

11月5日午前1時半頃、歌舞伎町の花道通りで女性によるホストの殺人未遂事件が起き、さらに同日14時には20代前後の男性が新宿東宝ビルから投身自殺を図る事件が立て続けに起きた。ふたつの現場の目撃者に話を聞いた。
5日午前1時半に歌舞伎町で起きた、20代女性によるホストの刺傷事件は、飲食店が閉店した直後の人通りが多い時間帯に起きた。事件現場をまさに目の前で目撃し、その様子を撮影してSNSで発信した近隣店舗の店長は言う。
女に刺され、介抱されるホストと思われる被害者(@iori_axel_acさん提供)
「午前1時はホストクラブとキャバクラの閉店時間です。一気に店から客が出てくるし、終電を逃した人も含め、このあたりは人通りが一番多い時間帯です。事件当時は僕らも店を閉めた後、コンビニでも行こうかと従業員とともに店を出たときでした。外から女性の『ふざけんなぁ!』『クソガキよ! お前、人のことぶっ壊してな! 舐めてんなよ、コラァ!』というものすごい怒声が聞こえたんです」野次馬根性でカメラを構えた従業員と店長は外に出ると、そこは修羅場だった。「白いスウェットの上下を着た40代くらいに見える女性が胸元から腹部あたりが血まみれになった男性の頭を鷲づかみにして、倒れ込む男性の腹部をグーで殴ったり足蹴りしたりしていました」刺された男性は肩付近をカッターナイフで刺され、全治10日間の怪我を負った。刺した女性はその場に駆け付けた警察に殺人未遂の容疑で逮捕された。
警察に事情を聞かれる男性を刺した女性(@iori_axel_acさん提供)
「刺された男性を救護したのは僕のグループ店の従業員でした。彼の話では、警察官からの『あなたが刺したの?』という問いに、女性は『ホストなん、こいつ!』とすがるように訴え、倒れる男性を指差しながら『舐めんなよ!』と激昂していました。次第に人目も気にせず嗚咽し始め、突然バターンと倒れてしまったんです。警察もその姿に驚き、そのままパトカーで連行されていったようです」一体、この男女の間に何があったのか。店長はホスト間で飛び交う噂も含めて、こう話した。「被害男性は何店舗かのホストクラブで働いては飛んでいた、とくにランキングにも入っていない名もなきホストのようです。事件当日にどの店舗に所属していたかは定かでありませんが、おそらくあの時間に花道通りを歩いていたということは、どこかに体入(体験入店)したか、もしくは小さな個人店などで働いていたのかと思います。女性は刺した後に『半年間で1800万円を貢いだ!』とも叫んでいたようなので、何らかのトラブルがあったのかなとは想像します」6日に報じられた「文春オンライン」によると二人は一時期同棲をしており、男性は“女性の”ヒモ”だったという。また女性は、男性からのDVに悩まされており、動機は“復讐”だと思われる。
解説する店長
痴情のもつれや金銭がらみでホストが刺された事件はこれまでも数多く起きている。2019年5月に起きた元ガールズバーで働く女性が「好きで好きでしょうがないから」という理由で担当ホストを刺した「歌舞伎町ホスト殺人未遂事件」は記憶に新しい。歌舞伎町で10年以上勤めるベテランホストは語る。「いちいち報じられないだけで、ホストと客のトラブルなんて日常茶飯事です。僕もこれまで何度か太客に『金づるだとおもって舐めてると刺すぞ』と脅されたり、『これから死ぬから』なんて言われたことはしょっちゅうです。適当にあしらっていた客がヤクザを呼んで、僕自身がさらわれたこともある」
刺傷事件当日の歌舞伎町ライブカメラより
また、別のホストはこんなことも口にする。「2019年に歌舞伎町で刺されたホストは、その数ヶ月後に復活してから今に至るまでずっとランキングが上位ですから、たくましいですよね。今回刺された彼も痛い思いをしたろうけど、回復して復活したら絶対にホストとして人気がでます。刺されたことをウリにしてTikTokしたりSNS展開すれば、売れるでしょうね。そうまでしても売れたいホストは多いですから」そんな騒動があった翌日の真っ昼間の歌舞伎町では、20代から30代と思われる男性の投身自殺が起きた。社会部記者は言う。「新宿署に『人が落ちてきた』と110番通報が入ったのは5日の14時6分のことでした。現場の歌舞伎町の新宿東宝ビルに駆けつけると、男性は即死状態。男性の見た目は20~30代で所持品から都内在住であることがわかっていますが、遺書はありませんでした。防犯カメラを確認したところ、他者の介在はなく一人で飛び降りていることまで確認できているようです」
歌舞伎町(撮影/集英社オンライン)
歌舞伎町に詳しい「裏モノJAPAN」の編集者、仙頭正教氏は言う。「当日の目撃者によれば、ビルの上に立っていた人はメガホンのようなものを持っていたようです。そこから警報のようなものが鳴っていて、なぜかメガホンを先に落としたとのことでした。そしてそのまま後ろ向きに両手を広げて飛び降りてしまったとのことです」男性がビルの上に立つ姿が見えてから、わずか1、2分後の出来事だったという。SNSには〈人が飛び降り木にぶつかった〉〈諸説あるが飛び降りたのはホスト?)〈ただただ怖い。音がリアルだった〉など複数の書き込みがあった他に怪我人がでなかったのが唯一の救いだが、同じ日に事件が立て続けに起きた街は、数時間後には、何事もなかったように多くの“街の住人”で賑わっていた。※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]X(Twitter)@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班