「荒れる学級」担任が1カ月以上も不在 他の担任が交代で授業「誰もが戸惑っている」

<那覇地区で教員38人不足>からの続き「このままでは学校が崩壊する」那覇地区24校で教員38人不足 組合「氷山の一角」 | ・・・ 那覇地区の小中学校で、1月に少なくとも24校で38人の教職員が不足していたことが16日、県教職員組合(沖教組)那・・・www.okinawatimes.co.jp 「授業のカバーに入るたびに、クラスの雰囲気が荒れているように感じる」
那覇市内の小学教諭は危機感を隠せない。低学年の学級担任が病休に入ったが臨時任用教員が見つからず、1カ月以上も別の教員が交代で授業をしている。
低学年は生活や学習の習慣を身に付ける土台となる時期。教員が入れ代わり立ち代わりで来る状況は「適切な教育環境ではない」と語気を強める。
目立つのは授業中の離席だ。「話を聞いてくれない子が増え、注意ばかりしている。児童にも教員にとっても精神的に良くない。時間割も変更の連続で、誰もが戸惑っている」と指摘。「たとえ1学級の人数が増えたとしても、学級統合で児童を振り分けた方が教育上は良いと思うのだが」と声を落とした。
那覇市の別の学校では1年間に何度も欠員が生じた。教員歴約30年のベテランは「10年くらい前までは欠員が生じても数週間で代わりの人が見つかったが、今は半年以上も補充が決まらない」とため息をつく。
新型コロナやインフルエンザで休む教員もおり、1人で2学級を同時に見たこともある。「二兎(と)を追うものは一兎をも得ずではないが、一方を補習にしている間、けんかが起きて授業どころではなくなった。子どもと向き合う時間もなく、いじめや不登校などの兆候にも気付けない」と話す。
子どもを前に「忙し過ぎるオーラ」を出していないか、自問する日が続く。「本来、教員は素晴らしい仕事。やりがいもあるが、その前に体力が尽きないか。心配だ」とうつむいた。(社会部・下里潤)