「公務員っぽくない」「外車2台」競馬場のイベント発注巡る汚職事件 逮捕された競馬組合前課長の“評判”

名古屋競馬場でのイベント運営の発注を巡り賄賂を受け取ったとして8日、競馬組合の前課長が逮捕されました。前課長を知る人が人柄について語りました。 去年4月、名古屋市港区から移転し、愛知県弥富市でオープンの日を迎えた名古屋競馬場。その裏で、私欲を満たす狡猾な犯罪が行われていました。
9日朝、名古屋競馬場に家宅捜索に入った愛知県警の捜査員。逮捕された愛知県競馬組合の前課長・石黒弘喜容疑者(54)は、イベント運営会社の部長・石田竜規容疑者(33)から、賄賂として現金341万円を受け取った疑いが持たれています。
2人が画策したとみられているのが、名古屋競馬場の移転に伴う「クロージング」と「オープニング」のイベント運営業務です。
この入札窓口だったのが当時愛知県から派遣され、競馬組合の総務広報課長だった石黒容疑者でした。 警察によると石黒容疑者は2021年、このイベント運営業務を巡る入札で石田容疑者の取引先「A社」が落札できるよう、石田容疑者に入札情報などを漏洩。 この情報を元に、A社が総額7000万円の事業を落札します。その後、下請けの石田容疑者の会社が、石黒容疑者が実質的に経営する会社に業務委託料として341万円が振り込まれていて、これが発注の便宜を図った見返り=賄賂とみなされています。
去年の移転後、様々なイベントで客を楽しませてきた名古屋競馬場。1年前のサッカーワールドカップ日本代表選の時には、パドックをパブリックビューイングの会場として無料開放するユニークな試みもありました。 石黒容疑者を知る県の職員が、仕事ぶりについて語りました。<県職員>「髪の毛が長くて公務員っぽくないイメージはあるけど、仕事はきっちりして情熱的な印象だった」
ただ、私生活について近所の人の印象は…。近所の人:「(車が)2台になったのはここ1年未満ですね。両方とも外車です。外車2台乗っていらっしゃるから、普通とはちょっと違うでしょうね」 また、石黒容疑者に賄賂を贈ったとされる石田容疑者は、県の職員が石黒容疑者にイベントの企画などを相談すると、石田容疑者を紹介されることがあったといいます。<県職員>「石黒容疑者に『よく知っている代理店がいるから話を聞ける』と言われて、石田容疑者に会ったことがある。以前からの知り合いで、仕事上の意思疎通をしっかりできている感じだった」
石田容疑者側に確実に落札させるためか、自らも入札業者の採点に加わっていたという石黒容疑者。2人の認否について、警察は明らかにしていません。