９日午前３時１０分ごろ、松戸市古ケ崎の住宅敷地内で、目撃者から「女性の悲鳴が聞こえ、外で女性が２人の男に殴られ倒れている」と１１０番通報があった。駆け付けた松戸署員が住宅玄関前で、この家に住む中国国籍の林潔さん（３３）が頭などから出血し倒れているのを見つけた。林さんは意識不明の状態で病院に搬送され、死亡が確認された。暴行を加えた若い男２人は逃走しており、同署は殺人事件として行方を追っている。
同署によると、林さんの死因は出血性ショックとみられる。現場周辺には免許証など林さんの所持品が散乱していた。金品が奪われた形跡は確認されていないという。男２人のうち１人は身長約１８０センチのがっちりとした体格で、ジャンパーを着用しキャップ帽をかぶっていた。もう１人は痩せ形だった。
捜査関係者によると、林さんの傷の状態から、２人は凶器を使って暴行したとみられ、県警は現場近くの河川敷などで凶器を捜索した。
現場はＪＲ常磐線北松戸駅から西に約１・５キロの住宅街。
散歩で現場周辺を頻繁に訪れるという男性は「最近物騒だ。自宅近くでは空き巣もあった」と心配した。別の男性は「うちはこの地区じゃないが、回覧で不審な男２人がうろついていたから注意するよう知らせがあった。被害に遭った人が気の毒だ」と話した。
近くに住む女性は「夜に事件があったなんて知らなかった。亡くなった人がかわいそう」。現場については「ここは静かな住宅街で、働いている人が多いから日中は留守の人が多い」と説明した。
事件を受け、同市教育委員会は現場周辺の市立小学校４校に警戒を呼びかけた。