6代目三遊亭円楽さん眠る前橋市の寺が全焼 墓は無事 本尊の釈迦如来像も焼け跡から見つかる

12日午後4時半ごろ、前橋市元総社町の釈迦尊寺で火災があり、木造瓦ぶき平屋建ての本堂約400平方メートルが全焼した。消防によると、消防車など14台が出動し、17時間40分後の13日午前10時10分に鎮火した。出火当時、本堂には住職の山崎奎一さん(80)、山崎さんの妻(80)ら3人がいたが、避難したため、無事だった。前橋署によると、けが人はいなかったという。署は出火原因を調べている。
敷地内には、昨年9月に死去した落語家の6代目三遊亭円楽さんの墓がある。本堂は約90年前に建立した。円楽さんと親交があった山崎さんによると、円楽さんの墓を含め他の墓も無事だった。署によると、寺の敷地内にある保育施設の屋根が一部溶けるなどした。
また、本堂にあった本尊の釈迦如来像がこの日夕、“救出”されたことが判明。平安時代末期のものとされ、大きさは一寸八分(約5・4センチ)。山崎さんは「焼け跡を消防の方に探してもらったら、見つかりました。この釈迦如来像は閻浮檀金(えんぶだごん)という質の良い金でできており、黒くなっていましたが、水で流したらきれいになりました。これは本堂を再建せよ、というメッセージでしょう」とホッとした様子だった。