岸田文雄首相は１３日、過去の税金滞納を認めた神田憲次財務副大臣（６０）＝衆院愛知５区＝を事実上更迭した。代表取締役を務める会社保有の土地・建物の固定資産税を過去に滞納した経緯が発覚し、国民に納税を求める立場にあることから国会審議への影響は避けられないと判断。神田氏が辞表を提出し、持ち回り閣議で受理した。９月の内閣改造後、政務三役の辞任は３人目となった。
ジャーナリストの田崎史郎氏は「岸田内閣では、政務官が収賄（＝改造前の８月に辞任した秋本真利外務政務官）、不倫、選挙違反で辞任していますが、今回の神田財務副大臣の辞任は最も手痛いと言っていいでしょう」と指摘した。
「理由は２つあります。一般的に副大臣の人事は官房長官、官房副長官で原案をまとめます。官房長官は松野（博一）さんで、神田さんと同じ清和会（＝安倍派）。神田さんが、お金の問題を抱えているというのは知っていてもおかしくありません。税の滞納であれば、財務省、国税庁からも入閣前に一言あっても良かったが、それもなかった。まともな身体検査ができていないということ」と厳しく分析。その上で、「不倫など個人のスキャンダルであれば仕方のない面もありますが、今回は予見可能でした。はっきり言ってザルです。今後も支持率が回復することは難しい。現状維持が精いっぱいでしょう」とあきれたように話していた。