那覇市有地に関する贈収賄事件を巡り、那覇市議の1人が本紙取材に対し、収賄容疑で逮捕された前議長の久高友弘容疑者(75)から、市有地に関して議会で市当局を追及すれば謝礼を支払うと持ちかけられた、と証言した。「久高容疑者から質問するよう2~3回頼まれ『ちゃんとお礼をする』と言われた」と説明した。 市議によると、謝礼の話があったのは2021年11月ごろ。自家用車の助手席に久高容疑者を乗せ、自宅へ送る際に言われた。議長室に呼ばれて依頼されたこともあったという。 この市議は「所有権問題は裁判で決着するべきだと(久高容疑者に)伝えた。謝礼は受け取っておらず、議会で追及もしていない」と述べ、断ったとしている。 別の会派の市議も20年12月ごろ、議長室で久高容疑者から質問を依頼されたという。「こちらの脈を探っていたのだろうが、当時は体調が悪くて断った。お礼の話はなかった」と振り返る。 この2氏は、久高容疑者が逮捕前の本紙取材に「現金を渡した」と名前を挙げた3氏とは別。久高容疑者は不動産会社元代表らから議長室で受領した5千万円から支出したと説明、「自分が議長の立場で質問ができないからお願いし、やってもらった」と話していた。 しかし本紙が説明内容を報道した直後、久高容疑者は弁護士を通じて「他の市議に金銭を交付した事実はない。そのような内容を記者に証言したとの事実もない」と発言自体を否定した。3氏側も受領を全面否定している。 市議会会議規則は議長の質問権を認めているが、市議会事務局は「規則上は可能でも、議長は進行役で質問をしないのが原則」との見解を示している。「市を追及すれば謝礼を支払う」 汚職で逮捕の前那覇市議長、市…の画像はこちら >>