パンダのシャンシャン 21日に中国へ返還 パンダライターが動向予測「会いたいなら中国行くしかない」

21日に中国に返還される上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャン(雌、5歳)が19日に最終観覧日(抽選申し込みは終了)を迎える。和歌山・アドベンチャーワールドのパンダ「明浜」と「優浜」の名付け親で、パンダライターの二木繁美氏(47)がシャンシャンの魅力を振り返り、今後の動向も予測した。(坂口 愛澄)
大阪在住の二木氏は、これまでシャンシャンを約20回観覧してきた。返還は新型コロナの影響で2020年から5度延期となったが、ついにお別れの日が近づき「帰るのは繁殖のためですが、やっぱり寂しい気持ちは拭えない」としみじみと語った。
「父・リーリーと母・シンシンの初めての子どもということで、新しい血統で貴重なのです。ファンは返還という言葉に違和感を持つ方が多く、繁殖のために旅立つという前向きな表現を使っています」
数多くある思い出の中でも、シンシンにかわいがられていたシャンシャンの愛くるしい姿は印象深いという。
「母親は子の体をきれいにしたりするためになめることがあるんですが、大抵はお尻の周りが唾液の色でうっすらピンクになるくらい。でもシャンシャンはなめられすぎて全身がピンク色になったことがありました。当時『ピンクピン太郎』と呼ばれていたんです。お母さんからすごく愛されていたんだなと強く感じました」
シャンシャンの観覧は19日が最後となるが、午後4時からの最終枠は観覧可能人数100人に対し、倍率70倍となり、二木氏も抽選で落選したようだ。

「生後しばらくしたら行列も落ち着くかなと思ったんですが、絶えることはなかったんです。シャンシャンからパンダにはまった人ってかなり多くて。かわいさの破壊力がすごかったんだと思います」
初の長旅に挑むシャンシャンは、返還に向けて昨年11月から輸送箱に入る練習を週1回行っている。
「エサで誘導し、慣れてもらうことが目的です。以前、園のエアコンの工事で約10分、別室へ移動しただけで体重が落ちたこともあって。急にストレスを感じないよう、練習を重ねています」
21日は陸路で2時間かけて成田空港へ。その後、中国・成都双流国際空港まで約5時間半のフライトを経て、雅安碧峰峡基地へ到着する予定だ。
「到着後は、動物検疫を実施し、雅安にいるか、臥龍にあるジャイアントパンダ保護研究センターへ行くと思います」
一定期間を経て、シャンシャンが、日本を含めた国外へ行く可能性については「極めて低い」と推測した。
「国内での移動になるでしょう。もし会いたいファンがいたら、移動した施設に足を運ぶしかないと思います。中国で戸惑うこともあるかもしれないですが、名前の通り、明るく育ってほしいですね」