海上自衛隊の横須賀地方総監部が実施した「オータムフェスタ」に、海上自衛隊大好き漫画家が潜入取材してきました。大賑わいだったこのイベント、護衛艦や潜水艦以外にも見どころ満載だった模様です。
2023年10月21日、海自オタの漫画家である私、たいらさおりは「オータムフェスタ」に潜入してきました。 「オータムフェスタ」は海上自衛隊 横須賀地方総監部で行われる基地開放イベントの一つで、艦艇の一般公開や体験航海、ヘリコプターや消防車など珍しい装備の展示が行われる、家族連れから自衛隊の学生まで幅広く訪れる人気イベントです。晴天に恵まれたこの日、基地に隣接するヴェルニー公園ではカレーフェスティバルも開催され、多くの人で賑わっていました。
護衛艦よりも萌え? パリピ黒マッチョ隊員の超危険な任務とは …の画像はこちら >>2023年10月21日に行われた横須賀地方総監部「オータムフェスタ」の様子(画像:海上自衛隊)。
まず私が向かったのは艦艇の一般公開。今回はもがみ型衛艦の2番艦「くまの」、あさぎり型護衛艦の3番艦「ゆうぎり」、この2隻が公開されていたのですが、両艦とも驚きの1時間超えという大行列。これでは全部回りきれないので気を取り直し、乗らずに外から眺めるだけにして、その艦影を堪能しました。
いつも思うのですが、岸壁に立って艦橋からマストにかけて見上げるだけで、なぜこんなにも心が躍るのでしょうか(私だけ?)。
ちなみに、「くまの」はハロウィン仕様の飾り付けもされているようで、艦首に搭載された5インチ砲の砲身におどろおどろしいドクロのリースが飾られていました。「くまの」はなかなかハードコアなハロウィンのようです。
さて、メイン会場の一つである逸見岸壁には多くのテントが張られています。今回は陸自と空自による車両の展示もあり、TVなどでたびたび取り上げられることの多い陸自の野外炊具1号や災害派遣で活躍する給水車も来ていました。野外炊具は、なかなか見ることのないビッグしゃもじと一緒に記念撮影ができるので、ちびっこにも人気の車両なんです。
野外炊具1号の隣には、もはや横須賀周辺の海自イベントではおなじみとなった「ちびしま」「こいずも」の展示が。これは護衛艦「きりしま」「いずも」のミニチュアなのですが、艦載機が増えるなど年々グレードアップしているもよう。
ところで、今回この展示の隣に見慣れぬ造形物が……。近づいてみると、なんと対空ミサイル「SM-3」ではありませんか!
普段は艦艇の上甲板に設置されるVLS(垂直発射装置)に収まっているため、まず目にすることのないミサイルが、実寸模型ながら間近で見られるというのは、イベントならではといえますね。もっと小ぶりかと思っていましたが、想像以上に大きく、これを見ると、ミサイルが収められているVLS自体も相当な大きさだとわかります。
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「オータムフェスタ」で一般公開されていた護衛艦「くまの」の5インチ砲のアップ。砲身基部にリースが飾り付けられていた(たいらさおり撮影)。
思わぬ収穫にほくほくしながら奥に進むと、水中処分隊のコーナーが。海の爆発物処理が主な任務である水中処分隊は、潜水と水中での爆発物処理の専門技術を徹底的に学んだのちに配置される、非常に危険を伴う部隊です。
しかし、そんなハードな任務とは裏腹に、イベントでは黒いゴムボートで海を爆走し、ボートの上から「ウェーイ」と手を振る日焼けしたマッチョ隊員、というギャップ萌えを見せてくれるので、私は密かにファンだったりします。
展示では、機雷探知用のハンドソナーやダイバースーツなどの装備品に触れるのはもちろん、潜水で使う酸素ボンベなどはその場で背負うこともできました。その重さ、じつに20kg。小学生を背負うくらいの重量でしたが、実際に背負ってみるとズッシリとした重みを感じることができ、思わずのけぞりそうになります。
隊員のハナシによると、ボンベだけでなく他の装備も付けるため、場合によっては腰が痛くなることもあるそう。筋トレが欠かせない部隊の一つというイメージですが、やはり体力勝負なのですね。
海上自衛隊というと護衛艦や潜水艦、ヘリコプターや飛行艇のイメージが強いですが、まだまだ知らない部隊、装備が無数にあって奥が深いと改めて実感しました。