日大・林真理子理事長「より一層気を引き締めて改革を成し遂げる責務を全うしたい」アメフト部違法薬物事件で会見

日大アメフト部を巡る違法薬物事件に関し、同大学の林真理子理事長らは4日、都内で記者会見を行った。日大は先月30日に文部科学省に改善計画を提出しており、今後の学校運営などについて説明。薬物事件により、部員3人が逮捕、1人が書類送検され、廃部の方針が示されたアメフト部については「継続審議」とした。
薬物問題を巡り、林理事長は第三者員会の報告で沢田副学長に具体的な指示をしなかったこと、メディアに対して危機管理広報に反する発言をした点などが「最高責任者でありながら規定違反」を認定された。減俸50%(6か月)となった林理事長は「処分内容を重く受け止め、理事長としていたらなさを反省し、より一層気を引き締めて改革を成し遂げる責務を全うして参りたい」と改革への意欲を示した。
酒井健夫学長は来年3月、沢田康広副学長は今月末に辞任が決まっていることに比べて処分が軽いのでは、という質問に対しては「三者委員会の報告に基づき理事会で審議され、その討議には私は加わっていない。討議での判断で公平なもの」と処分の妥当性を強調。「改革途中ですので、成し遂げなければいけない気持ちが強い。その気持ちをご理解いただければ」と改めて強調した。
◆日大アメフト部の薬物事件経過
▽8月3日 警視庁が寮を家宅捜索
▽同5日 警視庁が部員の北畠成文容疑者を逮捕。同部は無期限活動停止処分
▽同8日 日大が会見を開く。部内での違法薬物まん延の可能性について「把握していない」と説明
▽同10日 日大が部の活動停止処分を解除。関東学生連盟がリーグ戦出場資格の停止を決定
▽同22日 警視庁が2度目の家宅捜索。別の部員4人を任意聴取
▽同24日 日大が薬物事件を巡る大学側の対応を検証する「第三者委員会」設置
▽同25日 東京地検が麻薬取締法違反(所持)の罪で、北畠容疑者を起訴
▽9月1日 日大が再び部を無期限活動停止に
▽10月16日 麻薬特例法違反(大麻譲り受け)で2人目の部員逮捕
▽同23日 日大への23年度私学助成金全額不給付が決まる
▽同31日 第三者委員会が会見し「情報を都合良く解釈し、自己を正当化する姿勢が顕著」「ガバナンス(組織統治)が機能不全に陥った」と指摘する報告書を公表
▽11月17日 日大が改善計画の検討委員会を設置
▽同27日 麻薬特例法違反の疑いで3人目の部員逮捕。沢田副学長が林理事長からパワハラを受けたとして1000万円の損害賠償を求め提訴
▽同29日 廃部の方針が固まる。臨時理事会で林理事長の減俸6か月、酒井学長、沢田副学長の辞任を決定
▽同30日 日大が改善計画を文科省に提出。「『日大内のことは日大内で収める』という強固なムラ社会の意識」「秘密主義」などを列挙
▽12月1日 北畠被告が初公判で容疑を認める。「(沢田副学長が)もみ消してくれると思った」とも述べる