イギリス陸軍 300年間禁止してきた「ヒゲを伸ばすこと」を解禁へ!? その「切実な理由」とは

伝統を見直しへ。
イギリス陸軍が人手不足の解消のため、300年間禁止し続けてきたヒゲを伸ばすことを認める可能性があると、2023年12月4日に同国メディアの「ザ・サン」が報じ話題となっています。
イギリス陸軍 300年間禁止してきた「ヒゲを伸ばすこと」を解…の画像はこちら >>イギリス陸軍儀仗隊とフランス陸軍のシル・アルメ ・デ・テール将軍(画像:イギリス陸軍)。
これまでイギリス陸軍では、特殊空挺部隊(SAS)や特殊舟艇部隊(SBS)などの特殊部隊や、宗教的または医学的事情で指揮官によって例外的に許可された場合以外に、ヒゲを伸ばすことを禁止していました。
しかし、イギリス陸軍は長年新兵不足に悩まされており、少しでも人員を確保するために、長年に渡り禁止されてきたヒゲを認める方向に動いているそうです。なお、海軍は元々ヒゲに関する禁止事項はなく、空軍は2019年にヒゲの解禁に踏み切りました。
この件を受け、同国のメディアである「ガーディアン」のWEB版には、ヒゲを生やした人への差別に反対する利益団体「ヒゲ解放戦線 (BLF) 」設立者であるキース・フレット氏のコラムが掲載されました。フレット氏によると、例えば陸軍通信部隊の業務に近い仕事をしている業界は、非常にヒゲを伸ばす人が多い職場だそうで、「ヒゲ解放戦線の主催者として、私はこれを歓迎する」、「すべての兵士がヒゲを生やすことができるようになることで、ヒゲが単なる“特別なケース”ではなく、日常的に受け入れられるようになればいい」と見解を示しました。
なお、このヒゲの是非に関しては、12月11日以降に陸軍理事会の執行委員会で討議されるようです。
ちなみに、陸上自衛隊のヒゲのルールに関しては、「品位を保つ義務はある一方、鼻ヒゲは認められている。ただ、あごヒゲはダメだ。それは防護マスク装着時に、ガスがヒゲとマスクの間から入って来る可能性もあるからだ」と、元自衛官でヒゲの隊長としても知られた佐藤正久参議院議員がX(旧:Twitter)で過去に投稿したことがあります。
ほかに海上自衛隊に関しては「不精ヒゲは周囲に不快感を与えるため、ヒゲはきちんと手入れする」と、航空自衛隊に関しても「もみあげ及び口ヒゲは、常に整えられていなければならない」「顎ヒゲは、部隊等の長が許可しない限り蓄えてはならない。なお、許可された場合は、常に整えられていなければならない」と規定にあります。