衆院千葉3区選出の松野博一官房長官側に、政治資金還流疑惑が浮上した。自民党を揺るがす「政治とカネ」の問題が政権の中枢にも波及し、松野氏が地盤とする市原市と千葉市緑区の有権者に政治への不信感と落胆が広がった。徹底調査で真実を解明し、松野氏に説明責任を果たすよう求める声も上がった。
同区のJR鎌取駅前でバスを待っていた70代男性は「政治家は金を好き勝手に使っているんだろうと思っているので、今更という感じ」と吐き捨てつつ「調査するなら徹底的に調べて、国民に真実を明らかにしてもらいたい。このままでは何も分からない」と注文した。
「(松野氏は)真面目で几帳面そうなイメージがあったので(今回の報道は)意外。本人の説明も遅く、地元として残念だ」と厳しい表情を見せたのは、男児(3)を連れて買い物中の40代女性。会社員の20代女性=同区=も「物価高騰の中、みんな苦しい生活を送っている。お金が絡む問題はしっかり説明してほしい」と語気を強めた。
松野氏を学生時代から知るという後援会の60代男性=市原市=は「(政治資金還流を)やってないって思いたいけど、してるんだろう」とため息を漏らし「パーティーとか自民党という大きな組織のことは一般人には分からない」と話した。
市原青年会議所で松野氏と一緒に活動したことがある60代女性は松野氏について「誠実でお金に無欲な人」と評し「(政党のパーティー券問題は)昔からみんなが知ってることだし、今更その話題が持ち上がって松野さんだけが責められるのはおかしい」と指摘した。
同市に住む大学生、相川日向さん(21)は「(今回の疑惑は)単純に良くないことだけど、立場ある人だからこそ、今回のことをきっかけに政治的な慣習を止める役割をしてもらいたい」と要望。同市の30代男性は「市原市周辺はあまり著名な議員がいなかった。だからこそ有権者、特に高齢者の失望は大きいのでは」と説明した。