阪急阪神HD会長の角和夫氏が宝塚音楽学校の理事長辞任 宙組娘役が転落死した問題で

宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組娘役・Aさん(享年25)が9月30日に転落死した問題で、阪急阪神ホールディングス(HD)会長の角和夫氏(74)がタカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(同市)の理事長を8日までに辞任したことが同校への取材で分かった。1日付。歌劇団の新理事長・村上浩爾氏(56)が兼務する。
同校で歌・ダンス・芝居など歌劇の基礎を2年間学んだ生徒が歌劇団に入団する。今春は第111期生40人が入学。その競争倍率は15・3倍で21世紀では最も低かったが「東の東大、西の宝塚」ともいわれる狭き門。校則の徹底ぶりが知られる一方、いじめ問題で退学を余儀なくされた元生徒が民事訴訟を起こした年次もある。Aさんの死去で上下関係の厳しさが問題視される中、理事長交代で、同校と歌劇団の組織風土改革を一体的に進めていくとみられる。
歌劇団は阪急電鉄の一部門で、阪急阪神HD傘下。Aさんの遺族側代理人は7日の会見で新証拠を示し、いじめ・パワハラを認めない歌劇団の姿勢を改めて批判した。今後については角氏に対して「(HDの実質的な)トップの責任で解決してほしい」と要望。HD、歌劇団の態度次第で、民事訴訟を起こす姿勢も示した。
また、歌劇団の本拠地・宝塚大劇場で上演中の雪組公演を「安全に実施することが困難なため」として8日の当日に中止。さらに10日まで見送ると発表した。7日午前開演の部も「出演者の体調不良」を理由に幕開け前に中止されたが、午後の公演は実施していた。千秋楽は13日だが、残りの上演は未定。