【実食レポ】かつ庵の「熟成ロースかつ煮定食」を食べてみた – 卵が”かつ丼の2倍”! そのお味は……?

ちょっとの工夫って、めちゃくちゃ大事。「ちょっと」なのか「めちゃくちゃ」なのかハッキリしろや! とドヤサれそうだが、ここで言っているのは、ちょっとした工夫が、結果としてめちゃくちゃ大きな影響を生むことがある、という意味である。

例えば、かつ丼。使っている材料とかはほぼ同じでも、食べ方を変えるだけで、いつも以上に”ご馳走感”が生まれ、満足度もまた一段と跳ね上がるのだ。先日、ふらっと寄った「かつ庵」の新メニューでそう実感した次第。さっそく、その詳細を紹介したい。
○▼かつ庵の新メニュー「かつ煮」が心に沁みる!

関東地方を中心に展開するとんかつ専門チェーン「かつ庵」。サクッとした衣とジューシーな熟成豚肉のハーモニー、そして小鉢や味噌汁、タレに至るまで、あらゆる部分に行き届いた繊細な心配り……もう何年も口を酸っぱくして言っているが、とんかつチェーンの最優秀選手はかつ庵だと個人的には思っている。

そんなかつ庵に、つい先日、「そろそろ牡蠣が旬を迎える季節だし、牡蠣フライでも食べに行こうかな~」と思い立ち、ふら~っと入ってみたところ……

なっ、なんだこれ……かつ煮……?

「熟成ロースかつ煮定食」? こんなのあったっけ? しかも、「卵の量はかつ丼の2倍!」などと書かれているではないか。

なるほど……さてはこれ、待望の新メニューだな? しかも、大型新人の予感がするぞ。

さっそく席についてタッチパネルでメニューをチェック。左上のほうにデカデカと掲載されている。こやつ、間違いなく新メニューだ。メニューブックのほうにはまだ掲載されていなかったから、めちゃめちゃ最近追加されたばかりだと見た。

よし、今日はこれにしよう。

ポチッ。

……おやっ? 階層がまだ続いているぞ。

なんと、「熟成ロースかつ煮定食」(830円)だけでなく、とろろをプラスした「とろろ熟成ロースかつ煮定食」(950円)、そして、「えびフライと熟成ロースかつ煮定食」(990円)、「牡蠣フライと熟成ロースかつ煮定食」(1,190円)なんていうのもあるじゃないか!

エビフライや牡蠣も煮ちゃうの!? エビフライや牡蠣も煮たうえに卵でとじちゃおうっていうの!? そりゃあウマいでしょ。旨味の暴力でしょ。

めちゃくちゃ迷うけど、今日はまだかつ庵のかつ煮としてはデビュー戦なので、オーソドックスに「熟成ロースかつ煮定食」にしよう。

ポチッ。

あらっ、まだ階層が続いてたのか……えっ!? 白米大盛りが無料だと!? これはさすがに大盛りのほうがいいんじゃないか? かつ丼の2倍の卵を使ってるんだよね? ご飯並盛じゃ絶対に足りないでしょ。さぁ、いよいよ注文完了だ。

ポチッ。

ということで、ついに 「熟成ロースかつ煮定食」が到着! キタ~!

すごいボリューム! 鉄鍋自体がデカいのに、そこにとんかつと卵がぎっしりと詰まっている。だって、ご飯もこれ大盛りなんだよ? 大盛りご飯と並べても、かつ煮のほうが全然デカいことがわかるでしょ?

それではいよいよ……いただきます!

……間違いない! ああ~、ウマい! 熟成ロース肉は相変わらず肉厚でジューシー。噛めば噛むほど肉の旨味が感じられる。変なクセもなく、むしろ上品な甘みさえ感じられる。そして嬉しいことに衣はまだサクサク感も残っていて、それでありながら出汁がたっぷりと染み込んでいるものだから、噛むごとに出汁の旨味エキスが口のなかに充満する。これはヤバい。これは確実に米泥棒である。

実際に米に合わせてみると……

もう大盛りでも足りん! このかつ煮、ご飯に合いすぎるんよ!

「嘘つけ! ご飯と一緒に食べたら、それはもはやただのかつ丼だろ!」とお叱りを受けそうだけど、本当に違うんですよ~(クールポコ。のせんちゃん風に)。というのも、このかつ煮、レギュラーメニューの「熟成ロースかつ丼」と比べて、味付けが濃いめに設定されているから、本当にご飯が止まらないんです。

なんならコレ、あえて身も蓋もないことを言うと、卵だけでもご飯が消えるくらい合うと思う。

試しに、卵だけをオン・ザ・ライスで食べてみると……

はいはいはい、十分に最高です! いわゆる「玉子丼」っていうの? 関東圏ではあまりない食べ物だけど、完全に成り立ってますよね、これ。とんかつなしでもめっちゃウマい。旨味が凝縮された出汁を吸い込んだ卵はふわっふわ & とろっとろで超ジューシー。ご飯大盛りでも足りないぞ、これ!

言うまでもなく、一番ウマいのはとんかつと卵を同時にオン・ザ・ライスで食らうパターン。出汁はたっぷりとスプーンですくい取るのがオススメだ。

食べ進めるにつれて、とんかつの衣がしなしなになってくるんだけど、これがまた味があっていいんだよな~。

付け合せのお新香はシャキシャキ感が際立ったさっぱり味で、箸休めに最適。かつ庵では小鉢もいい存在感を発揮してくれるんだよなぁ。

夢中で食べているうちに、気づけばあっさりとフィニッシュ! かつ丼もウマいんだけど、こうして別皿にして、ちょっと味付けや量をアレンジすることで、同じような食材を使っていてもまったく違う楽しみ方ができるし、いつもよりスペシャル感があって満足度も跳ね上がる。

かつ庵の新メニュー「熟成ロースかつ煮定食」。「今日はちょっとリッチに攻めたいな」「とんかつをゆっくりと味わいたいな」と思ったときは、ぜひ積極的に試してみてほしい。