「酒の注文で疲れた」「お酌を求めるなら残業代つけて!」“初めての職場忘年会”若者のホンネ「アルハラに気を遣われて距離が縮まらなかった」「でもキャバクラつれてってくれた」

12月、忘年会シーズンで飲食店が賑わっている。新型コロナの流行でしばらく大規模の飲み会は自粛されていたが、今年は久しぶりの忘年会を開く職場も多いようだ。そんな中、コロナの影響で入社初の忘年会を経験した若者も少なくないとか。そこで集英社オンラインは初めての忘年会の感想と本音を、入社4年目までの“若手”に聞いてみた。
すでに遠い昔にすら感じられるが、2020年1月、新型コロナウイルス感染症が日本でも探知され、瞬く間に流行。その後は感染防止対策として大規模な忘年会はしばらく開催されていなかった。しかし今年5月、コロナが「5類」に移行されたことにより、久しぶりに活気のある忘年会シーズンを迎えている。一般企業では、社会人1年目の新人だけでなく、およそ4年目までのほとんどの“若手”が会社主催の大規模忘年会の未経験者。そこで集英社オンラインでは、若者の街・渋谷にて、初めて職場の忘年会を経験したという“社会人4年目”までの若者50人に、忘年会の感想をアンケート調査。その本音を紹介していく。
渋谷駅前(撮影/集英社オンライン)
「忘年会といえば、無礼講で上司にも軽口なんかを言えるものを想像してたんですけど、実際には『仕事とはなんたるか』だったり、自分の営業トークや取引先との関係性にダメ出しをされて、仕事の延長って感じがして期待外れでした」(24歳男性・営業職2年目)「『お酒の注文は若い人が取らないと!』みたいなことを先輩に言われたんですけど、10人以上いる飲み会でそんなことを気にし続けるのは疲れるだけでつまらなかったです。結局これも仕事のうちだと割り切りましたけど、私たちにとって今まで忘年会なんてなかったわけだし、これからもなくてもいいかもしれないです」(23歳男性・営業職2年目)
取材に応じる若者(撮影/集英社オンライン)
「話も合わないおじさん社員たちがやたらとお酌を求めてくるから接待感があって、会社でお茶を出すのとあまり変わらないなって思いました。残業代つけてほしいくらいです」(24歳女性・事務職3年目)
今回のアンケートでは、忘年会でのお酌や注文取り、さらには先輩からの説教などもあって「忘年会は仕事」という意見が多く見られた。勤務時間後にわざわざ時間を作ってまで参加したくないという若者も少なくないようだ。楽しく感じられなかった理由として、ほかにもこんな回答があった。「3年目にして初めて大人数での忘年会だったんですけど、会社の人間関係もあるんで、2次会3次会と断れず結局朝まで付き合わされました。ジェネレーションギャップもあるから趣味や会話も合わないし、上司がカラオケで歌う曲もまったくわからず。楽しい時間は全然なかったかな。さらに翌日の休みが二日酔いで潰れました」(25歳男性・営業職3年目)
取材に応じる若者(撮影/集英社オンライン)
「私も初めての忘年会だから気を遣うし、男の上司のほうもセクハラとかアルハラにならないように距離感に気を遣いながら話してる感じで、楽しくはなかったですね。職場の不満とか聞かれたけどそんなこと簡単に言えませんし、時間だけがただ過ぎていきました」(24歳女性・経理2年目)「みんなベロベロに酔っ払ってて非日常感はありましたけど、上司はやたらとお酒をすすめてくるし、つまらない内容で絡んでくる感じが鬱陶しかったです。それに本当におじさんって『最近の若者は~』ってセリフ言うんですね。向上心がないとかずっと言ってた気がします」(24歳男性・営業職2年目)お酒が入ってるとはいえ、やはり上司と部下。忘年会でも気を遣うから楽しめず、結果的に50人中30人以上が否定的な意見だった。一方で中には有意義だったとの声も。「ふだんの職場では聞けないような上司の家族のこととか、昔の恋愛話などプライベートな話を聞けたし、今度ゴルフを教えてもらう約束もしたんで、忘年会って必要だなって思いました。いろんな人との仲が縮まった気がします」(24歳男性・システムエンジニア3年目)「上司が忘年会の後に『こういう遊びも多少は覚えないとな』って言いながら上野のキャバクラに連れてってくれました。綺麗で大人な女性がたくさん話しかけてくるし、セクシーなドレスは目のやり場に困るから照れて上手く会話できなかったんですけどね。コロナ前は大きい飲み会の後にキャバクラや風俗に行くのが定番だったみたいなんですけど、それを久しぶりにできて上司も楽しかったみたいです。入社後1番カッコよく見えました(笑)」(23歳男性・公務員1年目)
「上司や先輩たちの素の表情とかが見れてうれしかったですね。それに自分も楽しいやつだって思ってもらえたみたいで『今度、合コン開くから来てくれ』って誘われました。出会いも広がるし、みんなと仲良くなれば職場でも過ごしやすくなるだろうから、すごくいい機会になりました」(25歳男性・営業職3年目)初めての忘年会にとまどう若者も少なくなかったようだが、どちらかというと男性のほうから「職場ではできないような話ができて有意義だった」との声が聞かれた。続いては場所を新橋に移動して“おじさん”からみた若者の声も聞いてみた。
取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班