“飲んだら乗れない”クルマで飲酒運転根絶を!アルコール検査しないと「鍵が開かない」「エンジンがかからない」

忘年会シーズンですが、絶対に許されないのが飲酒運転です。「飲んだら乗るな」という標語がありますが、テクノロジーの力で「飲んだら乗れない」仕組みを作ろうという動きが広がっています。
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工場のメンテナンスを請け負う愛知県・知立市の豊安工業。約40台の社用車が毎日動いています。出発前に必ず行うのが、アルコールのチェックです。
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検査と同時に写真も撮影され、全て専用のアプリに自動で保存されます。実は12月から、5台以上の車を使っている企業全てに運転前後のアルコール検査が義務化されていて、その結果も1年間保存しなければなりません。ここでは以前から自主的に運転前のアルコールチェックは行っていましたが、ある悩みが。
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(豊安工業 業務部・七原美香さん)「直行直帰の社員には各自に(アルコール検査機を)持たせて、結果を報告する仕組みにしていた。『検査を忘れて乗ってしまった』ということもあった」検査をしたかどうかの確認が難しく、結果を記入した書類も膨大な量になっていました。
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しかし、このアプリは営業車の予約や管理も兼ねているため社員がどの車を使い、検査結果がどうだったのかの管理が確実にできるのです。
アプリを開発したのが、愛知県大口町のトヨタ系部品メーカー東海理化。最新版には、こんな機能も。
(畑中大樹記者)「こちらの社用車は専用のアプリで管理されていて、スマートフォンでカギを開ける仕組みになっているのですが、アルコール検査機とも連動していて、検査をしないとカギが開かない仕組みになっています」検査にパスしないと、車を動かせないようになっています。
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(東海理化 ニュービジネスマーケティング部・尾西皐太郎さん)「デジタルキー(=スマホでの解錠)を使うことで、カギの受け渡しや戻し忘れ、紛失もなくせる。アルコールチェックとも連動して“飲んだら乗れない”仕組みを簡単に作れる」
アプリの利用には毎月1台数千円のコストがかかりますが、検査の義務化で導入企業は増えていて、ことし4月から11月までの導入社数はすでに昨年度の2倍に増えているいいます。
「飲んだら乗るな」から「飲んだら乗れない」へ。より確実な対策も、登場しています。
アルコール検知器のメーカー、静岡県富士市の「東海電子」。
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ここが作っているのが…
(東海電子 安全・健康システム営業部 今井央宙さん)「(Q.アルコール検査は?)アルコール検査の機器は車内にあります。センサーの機器がこちら。測定をしないと、エンジンがかからない仕組みになっている」車内に取り付けた装置に息を吹き込み、アルコールの値がゼロの場合のみエンジンがかかります。
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試験用のアルコールスプレーを口に含んで息を吹きかけると…(機械)「アルコール数値が検出されました」車のカギを回しても、エンジンはかかりません。
(東海電子 安全・健康システム営業部 西家司部長)「物理的にエンジンの始動を制御するところが他のアルコール検査機と大きく違う点で、飲酒運転を未然に防止する効果につながると考えている」「アルコール・インターロック」というこの装置、抜き打ちでアルコールチェックを促す機能もあり、検出されればエンジンがかからなくなります。
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設置費用は1台15万円ほどですが、各地のトラック協会などが助成金を出していて、すでに全国3千台以上に普及しています。厳罰化や、取り締まりの強化によって大幅に減った飲酒運転。
それでも年間120件もの飲酒運転による交通死亡事故が起きている中、いずれ「飲んだら乗れない」車が義務化される日が来るかもしれません。