海に面した好立地にあり、航空会社と連携したユニークな「ウイングルーム」で話題を呼ぶなど多くの宿泊客に愛された浦安市の「東京ベイ東急ホテル」が31日、営業を終えた。館内でお別れのセレモニーが開かれ、感極まって涙ぐむ従業員も。6月からは別のホテルチェーンが新装開業する。
同ホテルは、土地建物を所有する別法人から東急グループが運営を受託する形で2018年に営業開始。23年はコロナの5類移行や東京ディズニーリゾート開業40周年などで客室稼働率が好調だったが、9月に所有者が変わったことなどから、営業終了が決まった。
2階ロビーでの営業終了セレモニーには従業員約120人が集まり、「最後の宿泊客」も招待。宿泊数100回以上という東京都内の石垣明さん夫妻に感謝の花束が代表して贈られた。妻の道子さんは「本当に居心地のいいホテルだった。なくなるのは悲しいが、皆さん、新しい場所で輝いてほしい」と呼びかけた。
岩本裕明総支配人は「私たちはあすからそれぞれの道に進むが、もしどこかで顔を見かけたら声をかけてほしい」と客に思いを伝えた。話題のコンセプトルーム開設、地元との交流、海外からの帰国者が新型コロナ検査の結果判明まで一時待機する場所になったことなど、5年半の歩みが映像で紹介されると、目頭を押さえる従業員も。
セレモニー後、専用シャトルバスでホテルを離れる宿泊客らを、従業員全員で手を振って見送った。三橋徹マーケティング支配人は「最後までおもてなしをしたかった」と強調した。